烏丸メヰさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

烏丸メヰ

烏丸メヰ

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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

5.0

人間の出ていった空き家でひっそり暮らす貝殻(?)のマルセル。
彼と、年老いたおばあちゃん貝殻(?)の愛と工夫と切なさに満ちた生活を、実写映画とストップモーションで見せる、微笑ましい驚きに満ちた90分の
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.8

年老いたインディ、彼の変わってしまったものと、変わらないもの。

月面着陸やニューミュージック等「未来」への熱狂に湧く時代に、歴史という「過去」に取りつかれ執念を燃やす二人の男が対決する。
片や考古学
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

1.2

このレビューはネタバレを含みます

密室と、見ず知らず・素性も職業もバラバラの男女による脱出群像劇。

原作『CUBE』が好きなので当時映画館まで観に行った。
役に完全に向き合った俳優さん達の演技は素直にとても良かった。

だが映画とし
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CUBE(1997年製作の映画)

4.0

お気に入り作品記録。
低予算をものともしないアイデアと映像、不条理ソリッドシチュエーションの謎解きスリラー、思わず目を背けたくなるショックシーン等、もはや伝説的。

立方体の密室、その六面の壁にはハッ
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コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団(2016年製作の映画)

3.9

お気に入り作品記録&今回吹替で再鑑賞。
セイウチホラー『Mr.タスク』の脇役スピンオフだが、こちらだけ観ても問題なく楽しめる。

コンビニオーナーの娘コリーンと、恋に恋するコリーンは同じ名前の大親友。
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X エックス(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

お気に入り作品記録。
『Pearl』にそなえて再鑑賞(一度目は映画館)。個人的にA24の中では最も好きな映画の一本。
人によっては下世話に映るかも知れないが、私にとっては悲しく美しく、パンキッシュな力
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マッキー/Makkhi(2012年製作の映画)

4.8

『バーフバリ』、そして現在も盛り上がっている『RRR』の監督によるファンタジックインドコメディ。

陽気な若者のジャニは隣人の美女ビンドゥに片思い。めげないアタックを続けており、ビンドゥも彼を憎からず
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フォークロア:モンダル(2018年製作の映画)

2.7

陰湿で幼く我が儘なストーカー気質のせいで嫌われ者の少年と、彼をもて余しながらも溺愛する母親。
少年はある日、何も知らない転校生の女子を好きになるのだが……

韓国映画らしい、社会悪的な異常人間の嫌らし
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フォークロア:トヨール(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的に、6編の中で一番お気に入り。

あるところに不幸な死を遂げた母子がいた。
別の時、別の場所、村に起きた異変を解決すべく奮闘する熱血漢の二世議員は、事態収拾のため呪術師を雇う。


“トヨール”
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

1.9

このレビューはネタバレを含みます

「くまのプー」の著作権切れを良いことに、設定をグロ改変し、
“プーの殺人鬼化”
という作品情報の出オチに全てをかけた悪ノリホラー(笑)。
ディズニーが原作に追加したプーのキャラや属性を排し「ディズニー
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兵馬俑の城(2021年製作の映画)

3.4

中国アニメーション映画『山海経』がかなりお気に入りで、『ライオン少年』も良かったので鑑賞。
大陸の歴史的イコノグラフィや架空生物が好きなのでかなり期待していた。

秦代の兵馬俑=土人形達に魂が宿り、彼
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フォークロア:POB(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

殺人事件の現場を取材する記者と、そこにいた幽霊の不思議な交流。

モノクロ映像で展開していくが、あるシーンでのカラーとの切り替えに感嘆した。
カタルシスにうったえたり、派手な起承転結で見せるのではなく
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フォークロア:名もなき者(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

悪徳業者にこきつかわれながらも、仲間思いで優しい作業員の男性と、ある日作業現場から見つかった少女の死体。
作業員は、隠蔽の為焼却を命じた上司に背いて、首に刺さっていた釘を抜いてやり、死体を弔ってやる。
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フォークロア TATAMI(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

畳職人の仕事ぶりと、生活に密着した畳という存在を物語る冒頭の
静謐な「動」
から、廃墟を写真撮影をする主人公の
行動的な「静」
へ繋ぐ見せ方がとにかく美しいと感じた。
序盤、背後でものが落ちたり、すれ
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フォークロア:母の愛(2018年製作の映画)

2.8

貧しく行くあてのない母子と、子供をさらうインドネシアの魔女伝説をモチーフにしたホラー。

偶然がきっかけとなり起こる怪異により亀裂が生まれていく母と幼い息子のすれ違いを、怪異描写より人間感情を強く押し
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

字幕にて。元となったアニメ版を観たことがないまま鑑賞。
なので前提として、アニメキャラクターとの差違やアニメ版での表現等との「比較」一切無しの視点からの感想とおことわりしておきます。
また、特定の検閲
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.8

前作冒頭の直後から、アート・ザ・クラウンの“脱走”を補完して始まる完全な続編。
アートの人気や全国公開で話題になっているが、万人ウケするホラーではないし、シナリオに期待する類いの映画ではなく、不条理な
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.8

お気に入り作品記録。

韓国の田舎の村で頻発する不可解な殺人事件。
刑事のジョングは、同じ頃村に住み着いた謎の日本人の噂を聞きつけ怪しく思うのだが、ある日ジョングの娘に……

冒頭、そして散りばめられ
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呪いの怨恨 エコーズ・オブ・フィアー(2018年製作の映画)

3.6

心臓発作で死んだ祖父の家を売るため、掃除と遺品整理に訪れた孫娘アリッサは、屋敷に不気味な現象と何かの気配を感じていく……。

謳い文句通り、じわじわと忍び寄る恐怖をあらわす描写の随所に、Jホラーに通ず
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ロボット玩具開発者のジェマは、心を閉ざした姪ケイディにずっとあたためていた新製品の自己学習AI搭載人形「ミーガン」を与える。
ケイディを一番に守り重んじる命令を受けたAIは開発者の想像を遥かに超えてケ
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血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ストップモーションによって描かれたダークメルヘン。
起承転結がかなり分かりにくく、間の感じやデザインの独特さもあるので、かなり好き嫌いは分かれると思われる。
万人受けするものではないが、それでも私は強
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グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)

2.5

『グレムリン』の続編。

前作の「ミステリアスな中華街から来た不思議な生物と、約束を破ったがために起きる恐怖」という、どこかフォークロア的な質感と、中華街の片隅から始まり町一つを巻き込むという騒動の規
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グレムリン(1984年製作の映画)

5.0

お気に入り作品記録。
子供の頃から何度も観てきたし、冬には毎年観たくなる。私にとってのナンバーワンクリスマス映画。

不思議な生き物“魔怪(モグワイ)”。
彼と暮らすには守らなければならない三つの約束
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感染家族(2018年製作の映画)

3.5

韓国のゾンビホラーコメディ。
おとなしいゾンビに遭遇し倉庫に捕らえた貧乏一家は、ゾンビに咬まれた父親の変化とひらめきをきっかけに……

始終おバカなノリで描かれる個性的な一家のドラマと下世話でナンセン
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DAGON(2001年製作の映画)

3.6

私も人魚モノを観よう&“アー○ラ”のデザインで思い出したんで
『DAGON ダゴン』
を。
かなり前に字幕で観たので今回は吹き替えで観てみたけど、台詞回しとワードセンスが独特だった。個人的にオススメは
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

2.3

アメリカの軍人が“モンハン”世界へ。
そしてモンスターが……

大人気ゲーム『モンスターハンター』シリーズ、特に『モンスターハンターワールド』をモチーフにした映画。
私はゲームの方は、サイドストーリー
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シークレット・マツシタ/怨霊屋敷(2014年製作の映画)

2.8

友達と二回目鑑賞。
今回は部屋を暗めにして観たけど日本人には怖さを超えてなかなかクセ強である事には変わりなし。

ペルーのリマに佇むある館。
そこではかつて、日系人一家と使用人が凄惨な悲劇に見舞われた
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マーメイド NYMPH(2014年製作の映画)

2.3

モンテネグロに遊びに来た女性とその親友。
現地で合流した元カレには既にフィアンセがおり、更におもしろ男の友人も加わって、五人で“地図から消された島”へ探検に出発するのだが……。

ニンフ(女精霊。某ポ
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霊犬戦士ハヤタロー 伊那谷幽玄の戦い(2020年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

神を騙り生贄を要求していた邪悪な老猿の化け物と、それを退治した犬・早太郎の有名な伝説をモチーフにした特撮。

特撮作品に携わってきたスタッフによる“正統派の特撮文脈”と、ご当地愛が詰まった作品。

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テリファー(2016年製作の映画)

3.5

お気に入り怪作記録。
2にそなえて再鑑賞。

アート・ザ・クラウンの強烈な個性と、断面にこだわりのある“見せゴア”に満ちた残虐スプラッタ。
糸ノコをはじめ、各種「繰り返しの動作」による執拗なゴアの嫌さ
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ハッピーボイス・キラー(2014年製作の映画)

4.5

ライアン・レイノルズ演じる主人公ジェリーの正気と狂気を往き来する、ポップでブラックなゴアスリラーコメディ。

精神科でセラピーを受けつつ一生懸命働く青年のジェリーは、同じ会社の女性従業員に片想い中。
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THE CAT ザ・キャット(2011年製作の映画)

3.5

深刻な閉所恐怖症と向きあいながら、ペットショップで働くソヨン。
ある時、わけあって客の飼っていた白い猫を預かる事になるが……
ソヨンの身の回りで起きる猫と、人々の異変。そして恐ろしげな少女の幻影。
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

前作の、ダイナミックな誇張・演出ありの超能力バトルを少しも安っぽくせず大真面目に作り上げている雰囲気と、暴力描写に“韓国ノワール”の色を含んだバイオレンスSFの世界観が好きになり、今作も鑑賞。

邦題
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.3

荒木飛呂彦作品の漫画+ドラマ版『露伴』全て鑑賞済、ついでに『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(実写映画)』も観に行っており、純粋に楽しみにしていた作品。

まず映画館の雰囲気として、『ダイ
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

日本でも中華街の春節イベント等で見られる中国の「獅子舞」。
幸運をもたらすとされるハレの日の花形であるこの獅子舞に挑む、“持たざるもの”の少年達の物語。

特筆すべきはまず映像美。
流れる雲、柔らかな
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

続編が公開との事で一作めを鑑賞。
私の大好きな『謗法』のキャラクターを演じたチョ・ミンスさんが出演なさってて嬉しい驚き!


“超能力”というモチーフを扱いながら、一切安っぽさのない大人向けのSFバイ
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