aeさんの映画レビュー・感想・評価

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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.5

人間誰しも、手に入れた権力を手放したくはない。

恐らく自分含めほとんどの人間が、行動には移さずとも掃除婦と同じ思考には至るだろうということに、人間のエグ味を感じる。

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

5.0

善人/悪人なんて誰一人いなくて、みんなそれぞれの傷を抱えたまま、時によって互いを思いやったり傷つけたり。

監督本人が仰っていた「誰かを悪者として描くことをしない」スタンスが如実に感じられる作品。
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.0

その年齢の人間が受け取るべき大きさ以上のものを抱えたような、無邪気さと裏腹にどこか達観した子供たち。

涙が頬を伝っていくシーンの撮影方法が気になる。

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.5

無愛想になることで自分の気持ちに蓋をして、不愉快な現実から目を逸らす。
そうすることで自分を守り保とうとするオータムが痛々しくて苦しかった。

それでもそっと指先を繋いだスカイラーや、手術中に手を握っ
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

3.5

雄大なマジックアワーの自然の中で、独り佇む主人公の姿が映し出す閉塞感、苦悩。

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

-

諦め、無力を抱えながらもそれぞれの形で息子を愛そうと、理解しようとする両親の姿が苦しい。

四月物語(1998年製作の映画)

3.5

窓から差し込む光、まだ家具の置かれていない部屋、散っていく桜、新しく買った自転車、先輩が包んだブックカバー、雨の中広げる壊れた傘。

1時間という短尺が惜しい。

「これでいいんです。これがいいんです
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

2.5

めぐり逢い、別れて、また誰かとめぐり逢い、そしてまた別れる。
帰属先を求めて彷徨う若者たち。

継ぎ接ぎ状態の脚本や、要素の混線具合が残念だった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

Eテレのどこか不気味なショートアニメに通ずるものを感じる。
パグ鶏が気になりました。

花様年華(2000年製作の映画)

4.0

「男は過ぎ去った年月を思い出す。埃で汚れた曇りガラス越しに見るように。過去は見るだけで、触れることはできない。見えるものはすべて幻のようにぼんやりと…」

まさに、曇りガラス越しに2人の世界を覗いてい
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アース・ママ(2023年製作の映画)

3.0

自業自得でしかないけれど、そうしか生きることのできない人間もいる。

「子供を守りたいけど、私には守られた経験がない」

16mmフィルムの質感が良かった。
描写不足は否めない。

トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

幼い頃、両親や教師に心配されるほどいつも異性といた自分にはものすごく刺さった。
性に目覚めていく過程で「自分は間違っているんじゃないか」「なぜ自分は普通になれないのか」と思い悩んでは誰にも言えずにいた
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異人たち(2023年製作の映画)

3.5

ベタベタの感動ストーリーにできそうな題材ながらノスタルジックに傾きすぎず、価値観の違いなど現実的な部分にもフォーカスしていてよかった。

一方で孤独を描くことに重きを置いたことで、良くも悪くも原作小説
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怒り(2016年製作の映画)

3.5

森山未來、宮崎あおい、高畑充希の演技力が恐ろしい。

出演者の演技力と劇伴に助けられている部分も大きいように感じた。
原作小説も読んでみたい。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

起こったこと、起こらなかったこと、流れていった時間を受け入れること。

''You dream in a language I can't understand. It's like there's
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

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気味の悪すぎる現実。
どんよりした気持ちを、犬のおしっこに助けられるとは思わなかった。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.5

エイミーにとっては最高のハッピーエンドだろうな。

No fucking way. He doesn't get to win.

そして父になる(2013年製作の映画)

4.5

是枝さんの映画はいつも入浴シーンが印象的。バックグラウンドの情報が、セリフなしで一気に伝わってくる。

何をどうするのが正解なのかなんて誰にも分からないけれど、それでも何かを選び取って生きていくしかな
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

IMAXとの親和性が高すぎて、ストーリーや尺の長さは一旦後回しに、物凄い映画体験だった。

そしてフローレンス・ピューがクシャナにしか見えなかった、かっこいい。

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.0

小さな子供が非常に苦手な自分には、なかなかストレスの溜まる映画だった。

その一方でもっと歳を重ねた時、再び観たい、そんな風に思える映画でもあった。

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

5.0

徹底的に心情を映画的なセリフで語らせない感じ、散文的にも感じられる独特なつくり、ないようであるようなストーリー。

市子(2023年製作の映画)

3.0

構成立てが微妙。

ある側面から見れば悲劇の主人公。
またある側面から見れば、自らのためなら何もかも犠牲にして投げ出すことのできる女。

杉咲花と若葉竜也の演技すごい。

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

1.0

まとまりのない脚本、シーン盛り上げのために安っぽく使われるBGM、満載すぎるツッコミどころ。
要素要素をここまで活かせないことがあることに驚く。

これを観るために1000円払ったことが、2024年現
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

「虚栄/傲慢/真実」の3章。

妻を守る勇敢な戦士は、プライドに囚われた有害な男性性詰め込み人間で、人たらしの魅力的な男は、宮廷風恋愛と現実を履き違えた勘違い男だった。

マルグリットがその後30年に
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

まるで傍聴席に座っていたような感覚。

完全に明確な答えが示されないことそれ自体も、セリフにあったように「真実かどうかなど二の次」ということに繋がってくるように感じた。

パルムドールはスヌープの手に
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ハートストーン(2016年製作の映画)

3.5

田舎特有のジリジリとした閉塞感に、観ているこちらも息が詰まる。

善し悪しの話ではなく、「君の名前で僕を呼んで」にはない冷たい視線、「CLOSE」にはない生々しさがある。

雄大な自然を映しながらも、
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.5

ジューンの行動力すごすぎる。

綿密に練られた脚本。画面構成の表現にも驚かされる。

アンテベラム(2020年製作の映画)

2.5

手に汗握る緊張感と読めない展開の一方で、ツッコミどころ満載でもある。

オープニングの曲が良かった。

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