徹底的に心情を映画的なセリフで語らせない感じ、散文的にも感じられる独特なつくり、ないようであるようなストーリー。
構成立てが微妙。
ある側面から見れば悲劇の主人公。
またある側面から見れば、自らのためなら何もかも犠牲にして投げ出すことのできる女。
杉咲花と若葉竜也の演技すごい。
まとまりのない脚本、シーン盛り上げのために安っぽく使われるBGM、満載すぎるツッコミどころ。
要素要素をここまで活かせないことがあることに驚く。
これを観るために1000円払ったことが、2024年現>>続きを読む
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「虚栄/傲慢/真実」の3章。
妻を守る勇敢な戦士は、プライドに囚われた有害な男性性詰め込み人間で、人たらしの魅力的な男は、宮廷風恋愛と現実を履き違えた勘違い男だった。
マルグリットがその後30年に>>続きを読む
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まるで傍聴席に座っていたような感覚。
完全に明確な答えが示されないことそれ自体も、セリフにあったように「真実かどうかなど二の次」ということに繋がってくるように感じた。
パルムドールはスヌープの手に>>続きを読む
田舎特有のジリジリとした閉塞感に、観ているこちらも息が詰まる。
善し悪しの話ではなく、「君の名前で僕を呼んで」にはない冷たい視線、「CLOSE」にはない生々しさがある。
雄大な自然を映しながらも、>>続きを読む
ジューンの行動力すごすぎる。
綿密に練られた脚本。画面構成の表現にも驚かされる。
手に汗握る緊張感と読めない展開の一方で、ツッコミどころ満載でもある。
オープニングの曲が良かった。
作中の夏の雰囲気が良すぎて、嫌いな夏が待ち遠しくなった。
作中で流れる''There's too much love''が印象的。
妙にシュールな雰囲気が漂っていて良かった。
「やあテルマ」のシーン最高。
2人にとってはハッピーエンドだったと思いたい。
岡田斗司夫がニンマリ解説していそうな映画。
間の取り方が良さであるような気もしたが、個人的には冗長に感じる部分が多かった。
映画らしい「偶然出会った人と特別な絆が…!」なんてこともなく、あくまで淡々と進んでいくのが良かった。
娘を見つめる母>>続きを読む
ただの脱出劇に留めず、''その後''にフォーカスしていたのが良かった。
もし自分がジョイの立場だったら、不安と恐怖の中で7年も生き抜くことができるだろうか。自分事として考えるとあまりに怖い。
倒錯しすぎな愛。
残り湯をすするシーンがすごく刺さった。
ラストにかけての展開の持っていき方はあんまりだったが、映像のセンスが良すぎてあっという間に観終わった。
「お願いだからさ、嫌わないでよ」の一言が心に残った。監督本人が演じているとは。
30年前に、この価値観で映画が撮られていたことに驚き。
ブツ切りのような編集がかっこよかった。
主人公であるから、トラヴィスの行動やその動機に納得してしまいそうになるが、冷静に考えればどう考えても独りよがりであまりに勝手な「いい歳した大人の、どこまでも自分のための旅」という風にしか思えなかった。>>続きを読む
「それでも人は、生きていく」のキャッチコピー通りの映画。
冷めきったカレーを立ったまま食べる義務的な食事だったり、小便でタバコを消したり、1人動画を見返す時に何とも言えない声混じりに出る笑いだったり>>続きを読む
淡々と流れていく時間の描写は良かったが、やたらと主張の強い長回しが好みでなかった。
評論家が好きそう。
映画全体の雰囲気は物凄く好みだったけれど、一方で男性側の視線でひたすらに儚く美しく高尚に扱われる''少女の死''という価値観には危うさも覚えた。
心は温まるが、どの要素を取ってみてもより印象的な映画が頭に浮かんだ。
自分の知る限り、騒音と擦れた空気とうんざりするビル風に包まれた大都会東京が、視点を変えてみればこうも美しく映るんだなと。
2人の何とも言えない距離感が良かった。
削ぎ落とした説明の中で描かれる一人の男の淡々とした日常は映像/音楽も相まって確かに美しかったけれど、一方で美しすぎてどこか浮世離れしたファンタジーのような印象も受けた。
カオス全開のコメディかと思えば、下層で生きる人間の苦しさも顔を覗かせたりと絶妙な重さの映画だった。
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2ケツしている時の見つめる表情もそうだし、「あいつがどんな風に人を好きになるのか見たかった」の台詞からも、伊藤は本当に吉田が好きだったんだなと。
本当はそんなことを思っていなくても、思っていても普段>>続きを読む
ムーニーの人生における、何もかもを気ままに楽しく過ごせる時期、すべてがキラキラに映る時期からのゆっくりとした変化を描いた映画。
夢の国夢の国と持て囃されるディズニーには、老若男女問わず皆が一時でも現>>続きを読む
いつかの日には果てしなく大人に映った上級生、年上の従兄弟、知り合いも、結局は自分と何ら変わりない背伸びした子供でしかないこと。
バスティアンには大人びて見えただろうクロエも然り。
終始漂う不穏な雰囲>>続きを読む
関係性には名前がないといけない。距離の近い男2人はゲイで、女子とばかりつるむならオンナオトコ。
どれだけ好きでいても、その好意が「恋愛」「性」として意味づけられなければ、それはおかしいと指をさされる>>続きを読む
風の強い砂漠を彷徨えば、バグダッド・カフェ、きっとあるような気がする。
お気楽なふんわりとした空気感が好き。
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「心より先に脳が壊れていく人たちへ」
142分間ずっと、いつどちらが死ぬのか、いつ生活が崩れていくのかといった不穏な空気が画面に漂う。
すぐ側にいる2人だけれど、ふとした拍子に火を消し忘れ、ガスを>>続きを読む
扱っているテーマの重さと少しシュールな場面、ミニ羅生門のような展開のバランスが良かった。
カット割と映像はダサかったものの、設定と柴田理恵はカッコよかった。
後半にかけてバトル映画になっていったの>>続きを読む
145分の長さにも関わらず弛れることなく、終始テンポが良かった。
展開には驚かされたが、その一方で屋敷や衣装の美しさも際立っていた。
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じわじわと浸透していくような、好きなタイプのホラー映画。
ジョーン宅での降霊術成功シーンが一番ゾワッときた。
ラストにかけての展開は、恐怖よりもシュールさが勝ち、思わず笑ってしまったが。
PLAN75によってようやく死ねる人、PLAN75によって生かされている人。
進行形で老いていく祖母と向き合う日々の身としては、観るのが辛いシーンが多々あったが深く考えさせられる。
一方でラストにか>>続きを読む