ooospemさんの映画レビュー・感想・評価

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ロメールの女たちには敵わない
#ooospem'best

映画(453)
ドラマ(0)

心と体と(2017年製作の映画)

4.3

初日に観れました。

内向的で敏感で社会的にうまく立ち回れない、ということに切実な人達がいることは知ってる。私も昔そうだった。色んな性質の人がいて、どれにも大袈裟に理解を示すつもりはないけど、今作のこ
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ポーラX(1999年製作の映画)

4.5

ガレルが理性の人ならカラックスは感覚の人、という印象。計算だけでは追い込めない感覚的な臨場感がある。印象操作を感じないのに、本能的に緊張する何かが襲ってくる。
映像の作り込みという点では、彼はひどくし
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パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

4.0

女に優しいフィリップガレル。彼の映像って殺伐としていながら女心への愛おしさ、優しさ、包容力が垣間見えるのでホロリとする。身勝手な男を愛さずにはいられない女たちを、何という特別なものはない庶民的なキャラ>>続きを読む

袋小路(1965年製作の映画)

4.3

追い詰められた時に起こる普遍的な心情を「袋小路」と題して描くのはうまいなあと思う。フランソワーズ・ドルレアックの美しさがモノクロによく映える。お似合いだった姉御肌なキャラクターは妹・カトリーヌ・ドヌー>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.7

水は透明に見えるけれど、深海での色世界は秋みたいにこっくりしている。青とも緑とも言えない「海の色」がただ全編を通して大切そうに使われていて、それに開始数分だけ違和感を感じたとしてもすうっと引き込んでく>>続きを読む

まぼろし(2001年製作の映画)

2.0

オゾン監督って男を殺して女に悶えさせる作品多くないか。気のせいかな。今作はシャーロット・ランプリングの演技力により悲壮感がよく出ているが、構成や物語としてはイマイチ。幻想シーンとの繋ぎ合わせがちょっと>>続きを読む

8人の女たち(2002年製作の映画)

3.8

ハイソなお洒落を好む女の子たちに絶対的に支持されそうな映画。Diorのドレスが普段着のごとくさらっと出てくる。
Nouvelle Vague時代から親しんできた大女優たちと現代の若い世代を代表する女優
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BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

5.0

私が知る「生」と「動」のエネルギーに満ちた映画の中で最高の部類。実際の闘いの歴史なのだから「好きな映画」などと言うのはおかしいのかもしれないけど、でも、好きな映画になった。素晴らしい映画。生死を誰より>>続きを読む

日陽はしづかに発酵し…(1988年製作の映画)

4.2

ひどく静かで、恐ろしいほど断片的で、自己中心的ではあるけど傑作。地上を舐めるように高速で撮るファーストカットから一気に引き込まれるし、小さな村に暮らす人々の表情を点々と映していく情景描写も素敵だった。>>続きを読む

シンプルメン(1992年製作の映画)

4.1

私だってあのダンス踊れるし。…うそ、楽しそうすぎて、「こうなりたい」が強くなるので憧れを込めただけ。田舎で、ビール片手に、どこからともなく集まった仲間と閉店後のバーで踊り明かす。楽しげなのに、厭世的。>>続きを読む

ジョルジュ・バタイユ ママン(2004年製作の映画)

4.4

ルイガレルとイザベルユペールが親子関係を演じるなんて知るや否や、バタイユの原作を読み終えるまで観たいという衝動を抑えきれなかった。原作を知らなかったからこそ楽しめた部分も多いような気がする。
ルイガレ
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ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

4.0

女性として生きる主人公が愛する人を失い、苦悩し罵倒されながらもたくましく生きていこうとする話。人間の強さが滲み出てくる、力のある映画だった。3月8日は国際女性デーだったけれど、まだまだジェンダーによる>>続きを読む

お葬式(1984年製作の映画)

3.9

静かにシリアスに進んでいく話のはずなのに、伊丹十三の手に掛かると全てが面白くなってしまう。暗喩めいたユーモア。「お葬式」という単語にまつわるあらゆる情緒や人間関係が凝縮されている。

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)

3.1

イザベルユペール様が怪物のようだった。こんなに居心地悪くなる怪演もなかなかない。物語自体には一切感情移入ができなかったが、ユペール様がすごすぎてあんぐりしながら観入ってしまった。ユペールを崇拝するため>>続きを読む

アーティスト(2011年製作の映画)

3.6

前知識ゼロで観始めた。本当にサイレントの時代の映画だと思って、サイレント撮ってる割には画質綺麗だなあ。今の復元技術はすごいなあ、なんてまぬけに考えていたので途中から訳が分からなくなり、再生を止めた。は>>続きを読む

シャス・ロワイヤル(2016年製作の映画)

4.0

キャンキャン怒ってばかり、全然好きな世界じゃないなと感じていたけど思った以上に良作だった。観ているうちに彼女への視点が変わり、不平不満を吐き散らすことで無意識に自分の本音を知るまいと生きているように見>>続きを読む

サマードレス(1996年製作の映画)

4.2

フランソワ・オゾン監督。なにこれ凄く面白い…好き!短編ならではの疾走感と刹那がみずみずしくて良かった。湿度が低く、太陽がジリッとくる真夏感がガンガン伝わってくる。夏は嫌いだけど夏の映画はなかなか好きだ>>続きを読む

サマーフィルム(2016年製作の映画)

1.7

カメラに映る空間をデザインしている感じがなく、ロードムービーらしい風を感じられる、臨場感があると言えば聞こえがいいんだけど、それだけだった。心に響くものがない。恋のことをふざけて少年に問い詰めるシーン>>続きを読む

ラザール(2016年製作の映画)

3.6

やっとありつけたmfff…字幕無いと思ってたからそのまま観たけどなんで分からないのわたし?ちゃんと勉強してるのに?って半ギレになっていたのでアドレナリンが出まくり、結果、結構楽しめた。フランス映画観ま>>続きを読む

人情紙風船(1937年製作の映画)

4.0

主人公が逃げて行く毛利さんを睨みつけるカットが凄かった。不動の人物を通して一気に感情移入を引き起こすカットが多く、「静」に対するセンスが素晴らしいと思った。あとねお嬢さんの言葉遣いが可愛くて仕方がない>>続きを読む

気ままな情事(1964年製作の映画)

4.0

クラウディア・カルディナーレが狂ってるほど可愛い。爽やかに大きく笑う明るい女の子、が彼女にいっちばん似合ってる。彼女のスター性と猫顔ってどうしてもBBを想起するんだけど、500パーセントの笑顔がこんな>>続きを読む

シシリーの黒い霧(1962年製作の映画)

3.7

ヴィスコンティ《揺れる大地》の助監督として初の映画仕事をしたフランチェスコ・ロージが、同じくシチリアを舞台にして監督した作品。このあたりのイタリア映画は日本の現代とあまりにも遠くて渋い気持ちになる。画>>続きを読む

ベトナムから遠く離れて(1967年製作の映画)

4.4

ゴダール、レネ、ヴァルダ、ルルーシュら仏監督が1967ベトナム戦争にまつわる想いを映像にし、《La Jetée》のクリス・マルケルが総編集を行った作品。各人が決まったパートを撮るのではなく、それぞれの>>続きを読む

坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async(2017年製作の映画)

5.0

坂本龍一はオバケだと思った。「音」に魂を捧げ切ってしまい、そこに彼の肉体が映っているのに、人間というよりは表現力のかたまりとなった幽霊に見えた。誇張じゃない、映像に映っていたのは人智を超えた「音」の世>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

5.0

こっちもすごく好き!いい歳した男女がゲラゲラ笑ってお酒を飲んで過ごすだけの無為な夜、しかもそれは平和で退屈な時間なのではなく人間と人間の生の感情がとびかう緊張感がある時間で、疲れたわとちゃんと言ったり>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

5.0

初・カサヴェテス!おー!今まで観たアメリカ映画の中で一番好き!!なんなのこの、思いっきり投げやりなのに緻密な計画ありきの感じ、あざとい!俺たち仲が良い!と断定できるほどの仲じゃない同士の視線の探り方と>>続きを読む

タンポポ(1985年製作の映画)

4.3

伊丹十三は、本が好きで。キレのある皮肉がピリッと効いた、文体と思考が大好きで。男になりたいとは思わないけど伊丹十三には憧れる。いくつか短編仕込んであるけど話の本筋はラーメンね、自分でもどういうわけかラ>>続きを読む

できごと(1967年製作の映画)

3.8

《エヴァの匂い》《パリの灯は遠く》で美しく危険なJeanne Moreauを撮り上げたジョセフ・ロージー監督。今作の女性陣のなんとも言えない気品や危うさも好みだった。哲学教師の穏やかで満ち足りた日常に>>続きを読む

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

4.6

《私はファッションという呼び方は嫌いです。そう呼ばれるものはすぐに終わります。私の服は終わらない。…》孤高のファッション・デザイナーとの副題。わたしはこの方を知らなかったが、花々に囲まれた情緒感溢れる>>続きを読む

早春(1970年製作の映画)

4.9

アァアすごいこれ。”完成”って感じがする。すごい、すごい破壊力。逐一フォトショップでデザインしたような色彩と構図、人物の物質的美しさ、あまりに奔放で素直で衝動的すぎるコミュニケーション、性に対する執拗>>続きを読む

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)

4.5

とっても好きでした。
ジャンピエールレオーがそこにいるというだけで(良い意味で)嘘くさくて、お爺さんなのに青春の匂いがして、お茶目なクリクリした目は永遠にわたしたちの心を捉える。諏訪監督が引き出す現場
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ジャッカルとアラブ人(2012年製作の映画)

4.2

3作続けて観てずっと思ってたけどこの監督、自然の暗色が潰れすぎてないか?わたしの視力がわるいのか。深い森の緑、室内の影の部分などなど。そこより空のほうが広く青く撮られていたから、物体より空気感を大切に>>続きを読む

ある相続人(2011年製作の映画)

4.3

《おお至高の光》が根源的な人の存在意義、言葉の存在意義を探るテーマだったとすれば、こちらはより規模が個人的。フランス国への想い、生きていくうちで関わるあまた人間たちへの想いを、名もなき二人の登場人物に>>続きを読む

おお至高の光(2009年製作の映画)

4.3

楽譜なんてものは存在しないんじゃないのか、感覚的でありながらなぜか違和感のない不協和音。人間こういう無意識的なまとまりのなさってあるよね、と腑に落ちる。そんな重奏音楽から始まりぱっと映像が出て、あっ音>>続きを読む

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)

3.8

ジャンヌ・モローの氷の表情に凝縮された時代のシリアスさ、アラン・ドロンとの間の触れそうで触れないぎりぎりの緊張感と官能、ほんのちょっとしか出演しない彼女が偉大だった。アランドロンがひたすら窮地に追い込>>続きを読む

M/OTHER(1999年製作の映画)

4.2

初・諏訪敦彦監督作品。ジャンピエールレオーを撮った新作が公開されるということで、どんな方なのかと興味津々で観てきた。
最初から数十分、ああ、日常…な物語とテンポでわたしは何を見せられているんだという感
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