このレビューはネタバレを含みます
『Winny』の松本優作監督の商業デビュー作。
導入からオダギリジョーさんとの2万円問答までは最小の台詞で物語を運ぶ感じが素晴らしかったものの、そのあたりから細かな突っ込みどころが散見。脚本も見るからに冗長化しどんどん失速していった。
でもラストはなにか凄みを感じる。主演の白鳥さんの目力もただごとじゃない。やはりというか映画タイトルの台詞で〆るのだが、経緯がわかってるとまったくもって優太くんのせいじゃないんだよなー。
このラストは優太くんの絶望によるやけっぱちだと解釈した。ネグレクトに対する嫌悪を不条理で示した。
戻る場所となりうる児童養護施設自体は素晴しい人々で、そこに救いが少しだけあったのはよかった。
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実は深みのあるホームレスのオダギリさん、薄幸で自堕落無責任な松本まりかさん、ザ・クズ男の若葉さん、気のいい兄ちゃん太賀さんなど。いやあぴったりだなあと思いつつ、実は全員真逆のキャラもやってるしそれもぴったりだから凄いですよね。
でも今作で一番印象に残ったのは、いつもは流されてばっかりの木竜さんから出てるとてつもない安心感でした。優太くんはあそこに帰ってほしい。