Harumakiさん

呪詛のHarumakiさんのレビュー・感想・評価

呪詛(2022年製作の映画)
3.7
【 見方を変えると世界は変わる 】

この映画は、呪いと祈りをキーワードに描かれる、リアルで生々しい世界観を描く台湾ホラーの作品です。
ホラーでの視覚的、聴覚的に怖いのはもちろん最高点でした。
台湾などの海外特有のグロさや新たな“一人称視点”を駆使して描く手法は珍しく、今作はとてつもない怖さと面白さが合わさった大作だったように思えます。
決して考えないであろうシチュエーションを、ここまで奇妙に気持ち悪く描けるのかが謎すぎる。
本当にホラーの中ではトップレベルですね。

●物語の展開、その順序に感動。
冒頭のシーン、物語中盤で明かされる主人公ルオナンは何に怯え、なぜ災いに見舞われるのか、終盤では冒頭のシーンが繰り返され作品自体の真意を知る。
ここまできっちりと構成が作られているのには驚かされました。山奥の村で起きたことが少しずつ少しずつ描かれていく過程は、作品への注目がそそられ、怖いのに見入ってしまうことになる。
最後の場面、冒頭の意味を知った時は鳥肌が立つほど印象深く、考察を読んだり自己解釈をするたびに怖さを思い出す。

●新感覚のカメラワーク。
今作の魅力はなんと言っても“一人称視点”。大体のカメラークは、主人公がカメラを手持ちし、撮影されたものを私たちが見ると言うもの。これがなんともリアルで、トラウマになるほど生々しく場面が感じられました。画面酔いなども考えられましたが、今作は酔うより怖いが勝ってしまい、全く不快に思いませんでした。
最後の場面で、視聴者を巻き込んだリアル感覚の演出には、今作のカメラークならではの発想が感じられましたね。
本当に見てはいけないビデオのようで鳥肌全開でした。

●グロい、キモいのトラウマ級恐怖。
いやぁーーー虫嫌いやグロ嫌いには厳しすぎる作品でしたね(笑)
何をしたらこんなシチュエーション思いつくんだ、、、、というような演出ばかりで、久しぶりに諦めかけた今作。驚かしてくる、徐々に気味悪く、怖がらしてくるだけでもホラー全開なのにそれ+でグロ、虫を足してくるのは本当に最悪です(いい意味)。
呪いが日常を侵食していき、さらには呪いの真相、そしてその源である仏像の“顔”、視聴者を巻き込み呪いを移していくルオナンの凶行、どれも恐ろしく充実したシチュエーションを楽しめる。久しぶりにアジア系のホラー映画にトラウマを植え付けられましたね。

◉まとめ
この作品は、アジアの呪いを題材に、身近のようで遠い世界、呪われる母親と娘の恐怖体験を一人称視点で描いた作品です。
今作で試される新しいホラー撮影、誰もが恐怖するシチュエーション、親近感のあるアジア系、やっぱり私に刺さった作品でした。
劇場でもやってほしいほどの最高クオリティで、本当に良作でした!!
面白かったぁ、、、、。










怖すぎる、、、、、また手汗止まらんぜよ。
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