ハマちゃん

ヴァチカンのエクソシストのハマちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ヴァチカンのエクソシスト
まずヴィジュアル的な怖さは多少あるが、びっくりするような怖さも陰湿なホラー要素も少く比較的見やすいホラー映画。

まず初めに書いておきたいことは子供たちの演技もさることながらトーマスの演技力が凄まじい笑

アモルトが最序盤に教会で嘆いていた「なぜ悪魔に神はトドメを刺さなかったのか。神は何を望んで人間に選択という自由を与えたのか」
その答えをトーマスの演技力と成長過程から見た気がした。

被害者一家の母親が旦那を亡くしたという話を聞き、口では「お気の毒に」というものの少し目の色が変わった印象を受けた(うわコイツキモ。)今思えば演技だったのか、、すげぇ

その後悪魔から女好き、反省もしていないと見破られ、(やっぱこいつキモイやつやん)

トーマス本人曰く、ナチュラルボーンで神のことは愛しているっぽいが
女性も騙してでも手に入れたい。(なぜ神はコイツに選択の余地を...)

途中主人公からの指示でアスモデウスを見張るも騙されて耳をかじられ拗ねる(トーマスお前帰れ...)

拗ねるし使えないし反省しない三拍子トーマス。
それでも神が過去に冒涜されていた事実を知ると主人公に寄り添い打倒悪魔に決意を固める目つき。

とにかくだらしないパートから終盤の主人公救出パートまでの成長を目付きや顔つきで表現出来ているのが凄まじく演技力お化けだなと感じました。

間違った選択を続けた過程があるにも関わらず
神の力となり世に貢献する姿は主人公の神への懸念(何故神は人間に選択の余地を...)を拭う存在だったと思います。

映画自体の評価としては
ローマ教皇が定めた首席祓魔師というポストを担う主人公。
その主人公の良き理解者教皇、そして同僚。
何故かそのポストを下ろそうと企てる重役達。
1回目負けてリベンジマッチに勝利。
気持ちよくグッドエンド。
という何ともよくある「ええやんこれ」設定の数々がホラー映画に落とし込まれていてホラー映画の入口としてはとても優秀と感じました👏

登場人物の意味深な会話や聞きなれない設定
(私の信仰に加勢はいらない・人間になぜ選択肢を持たせたのか・異端教徒の話)
それがこの映画に奥行きを持たせていて自分は好印象
元々あった昔の教会の拷問事件や暴力沙汰という歴史に悪魔の存在を上から被せた胸糞設定に関しては「ちょっと都合良すぎない?」と感じたが、
そのあとの納得のいくアスモデウスの言動と立ち回りに観客を置き去りにしない気配りが感じました。

個人的にはもう少し陰湿なホラーシーンが欲しいものの。悪の帝王はそんなみみっちい事しないかー。というジレンマもありワガママなのは理解しつつもモットクレという不完全燃焼身はある。正直者だから私はちゃんと言う。