ハマちゃん

エクソシスト 信じる者のハマちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

エクソシスト 信じる者
とても丁寧かつ前作をリスペクトした作品だったと感じた。
まず導入部分に新しさが
どんなホラー映画作品にも視聴者の恐怖スイッチを入れるために色んな手法が取られる。
後ろを振り返り誰も居ないスカしパターン、お化けだと思った物音がネズミ。
などは代表的な例ではあるがこの映画は恐怖というものの根源的な感情を最序盤にくすぐってくる。

最初に学校に送る父親と子供の会話の最中。
後ろの車にクラクションを何度も鳴らされるシーン。
クラクションを鳴らしている運転手の顔を見せないのがまたうまい。
いつ運転手が怒って外に出てくるか?
いやさすがに車詰まってるのに時間かけすぎだろ!この朝の忙しい時間に..!
と視聴者もなんだかソワソワするシーンである。

次に先生が強めにアンジェラの授業中のお喋りを先生が何度も怒るというシーン。
これはいつか大きな音を出して爆発する💣💥と身構えた人も多いと思う。

その後、2人が行方不明の中。
ヴィクターがキャサリンの父親母親に「なにか心当たりは無いか?」と聞くシーン。
そちらに原因があると思いたい。
とも取れるこの今にも爆発しそうなキャサリン父に喧嘩を売っているセリフも見ているこちらはソワソワ。

こういった形で何度も視聴者の気持ちを揺さぶってくる手法はなかなか珍しくとても新鮮だった。

その後の2人が帰還後はびっくりドッキリパートだがここには不満がある。
何故なら少ない短い。
もっとあって良かった。
除霊シーンはほぼほぼバトルシーンになりがち。今回も例に漏れずにではあった。
そこも好きではあるが、、
もっと欲しかったのが率直な感想。

除霊シーンは、映画「来る」を思わせる色んな宗派が集まりチカラを合わせて除霊するシーン。
各々の信じる形で、パズズと対抗しようとする姿勢はよかったが
もっと色々と試行錯誤やお互いのシナジーがあっても楽しくなりそうだった、、
がめちゃくちゃセンシティブそうなので
シャーなしと思われる。

無印エクソシストから続くどちらの勝利とも見れる。どちらかは犠牲になる。完全勝利はない。
といった流れをパズズ自身が「どちらか一方は助けてやる。選べ。」と言ったシーンは魅力的であり前作のリスペクトを感じた。

視聴者がここまで狡猾な悪魔側と顔見知りというのは中々珍しい
シリーズを追ってきたファンからすると嬉しく、パズズも勝負の厳しさを学習している考え深いシーンでもある。

フライングで選ばれたキャサリンが悪魔に地獄に引きづり込まれ、アンジェラが助かる流れも悪魔ならでは酷すぎるだろ展開で満足できた



三部作ならば「そんななか、人間は生きていく。前を向いて。」みたいなシーンはちょっと要らなかったようにも思える。
どう考えてもキャサリンのことを思うと視聴者はそうはならないし。

2でチカラを発揮した今後パズズと戦っていくであろうリーガンの登場をチラっと出して終わり。
だけの方が視聴者側からすると仇感が色濃くでて気持ちを昂らせることが出来るという
シリーズ物としては繋がりはいいように思えた。

総評エクソシスト無印から伝統的に続いている天秤がどちらにも振り切らないラストとそれまでの展開、恐怖を煽る手法どれを取っても満足できるものではありとてもいい作品だと感じた。あと20分尺伸ばしてくれ。