是枝裕和の新作はドラマでNetflix。
そういう時代ですね。原作漫画は未読。
ドラマになっても是枝印の暖かな日常描写やもちろん題材である食描写、実在感のある人物演出は健在。撮影は近藤龍人。
音楽、菅野ようこ。
スタッフ陣も、さすがのハイクオリティ。
ドラマシリーズらしく普段の是枝作品の様な密度の高さより風通しの良さがあり、それが作品のテーマや題材にもマッチしていてそれがイイ。
舞妓や芸妓の所作の美しさや和文化的な奥ゆかしさやたおやかさが、そのまま食事を作るという行為の豊かさと重なっていく。
「想う」ということと「つくる」ということは同義。
必ずしも全ての人たちが自分の望んだ様な道を歩める訳でもない、それでも其々の居場所を見つけることが出来る筈。
そんなテーマを柔らかな手際で優しく綴るドラマが心地良い。
子供の様なキヨとすみれの成長物語も良かったが、こちらも違う道を歩みながらも不思議な戦友の趣きの様な橋本愛と松岡茉優の年長の2人組を観るのが楽しく嬉しかった。
ゾンビ好きな芸妓さんなんて最高に魅力的じゃないか！w
また原作にはないという女将の娘を演じる蒔田彩珠の陽性のドラマの中に時折差し込む憂いが、とても是枝監督っぽいとも感じてこちらも目が離せない。
なかなか忙しそうなスタッフキャスト陣が集まっているだけに、難しいだろうけれど、この人々の物語をまだまだ観ていたいので、第2シーズンも期待する。
