柏エシディシ

ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋の柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
ギレルモ・デルトロ製作総指揮の怪奇アンソロジーシリーズ。
往年のミステリーシリーズよろしくデルトロがエピソード紹介するのがニクい。絵になるなぁ、この人。
個々のお話自体は意外に古典や定型をなぞったものが多く展開も読ててしまい、それこそ「ブラックミラー」の様なエッジさに欠けるのがやや物足りない。
しかし、さすがデルトロ印の気合いの入った美術、撮影、そして毎回容赦ないグロテスク表現でしっかり楽しませてもらった。
第2シーズンも気鋭のホラー系監督を揃えてよろしくお願いします。

エピソードとしての完成度ではep.3「解剖」ep.8「ざわめき」が抜けている。
特にジェニファー・ケント(「ババドック」「ナイチンゲール」)の作家性と原案のデルトロの個性が絶妙のバランスで融合したep.8は、主演2人の演技も素晴らしく出色だと思う。
個人的にお気に入りは「マンディ」のパノス・コストマスのep.7。オチの脱力感はともかく、カーペンター直系のダークなシンセサウンドとドラッギーなビジュアルは好事家には堪らないだろう。
レイダースばりのお顔ドロドロ表現、80年代は割と流行っていたけど、最近観なかったので何だか興奮してしまったw
ピーター・ウェラーがすっかりお爺ちゃんになっていたが、渋い声だし相変わらず雰囲気あった。まだまだ活躍して欲しい。
ep.4「外見」も、展開が判っていても、割とディテールのひとつひとつが丁寧で楽しく(厭な気分で、褒意)観れた。監督アナ・リリー・アミールポール。「ザ・ヴァンパイア」の人か!この方、才能あると思うので頑張って欲しいところ。
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