よう

作りたい女と食べたい女 シーズン2のようのレビュー・感想・評価

4.5
シーズン2は話数も増え、新キャラも出てきて、いろいろパワーアップ。
あくまでシーズン1は序章的だったのだなと。


会食恐怖症の新キャラクター。
実は自分はそういう人がいることは知らなかった。
料理を食べることにまつわる話なので、これを出してきてるのも納得。

野本さんと春日さん、そして南雲さんをつなげるポジションとしての矢子さん。
彼女の、ぱっと見だけでイケてる女性感と、あらゆるマイノリティに対する気配り+サバサバした距離感は、いいお手本な感じ。
ともさかりえさんが、本人もそういう人がごとく、自然に体現されてるのも好印象。


やはりメインは野本さんと春日さんの関係性。

春日さんはあまり感情を表に出すタイプではなく、演じてる西野さんは役者が本業ではない人だけに、台詞も表情もずっと抑揚がないのが基本。
なんだけど、比嘉愛未さん演じる野本さんとの距離感が徐々に近づくほど、おそらく演じてるお二人の距離感と同様に、表情や台詞も少しずつ豊かになっていってる。


とりわけ出色は18話だろう。
ガンガン家父長制圧をかけてくる父親に対する春日さんの行動、これは感動的だった。
ドラマとしての作りもうまく、その時に春日さんが聴くカーラジオからは、リナ・サワヤマの「Chosen Family」
サビで「私の選ばれた家族」と歌うこの歌は、クィアのために作られた曲とのこと。
まさにこの春日さんに相応しい選曲。
ちなみに、ドラマ内でその曲を紹介する役を宇垣美里さんが演じてます。


あらゆる場面において丁寧な会話やり取りをするドラマ。
様々な問題を抱えてる人に向けた優しい眼差しと配慮が向けられてるのが伝わる。

そこで気になるのは、春日さんのオウム返し台詞。
「美味しいね」→春日さん「美味しいです」
「寒いね」→春日さん「寒いですね」
こんな感じのやり取りって、脚本的には下手くそと思われるとどこかで見たことが。
ただ、これ、あえてやってる気もする。
会話上の共有や同意を些細なレベルでもやろうとしてる春日さんという、キャラ描写にもなってるとも思ってる。
実際は知らんよ。知らんけど。
ただ、そんな気がするんだよなあ。

総じて、この繊細かつ丁寧な作りというのは、1日15分ずつ見せていく放送スタイルと合ってると思ってる。


細かいところで、
春日さんの同僚で義理の親の介護をしてた人の「帰らなくていい」って台詞も感動的。
あと、野本さんの同僚の佐山さん、異性愛者ではありつつ、まるで偏見がないタイプの好感度の高さは相変わらず。


シーズン3もあるといいなあ
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