マグルの血

侵入者たちの晩餐のマグルの血のレビュー・感想・評価

侵入者たちの晩餐(2024年製作のドラマ)
4.3
5人の侵入者と家主の話。

バカリズム脚本の正月特番。ブラッシュアップライフを彷彿とさせる3人組の女性をメインにストーリーが展開。それぞれがそれぞれの理由で1つの家に侵入する話なんですが、会話のリズムや内容、丁寧な伏線回収と登場人物のバックボーンの濃さ、様々な要素がバランス良く組合わさりあっという間の2時間でした。

まあ簡単に言えば家事代行サービスで働く2人の女性が、お金欲しさに友達誘って自分のところの社長のお金に侵入し、脱税してるであろうタンス預金を探すという話なんです。
前半は危機感のない会話というか、鋭い目線で見た色んな物事の会話というか、うまく言えないんですけど「ひねくれてるなー」と思いつつも関心してしまうようなまさにバカリズム節な会話劇が中心なのかとあまり期待しないで観てたんですが、続々増える登場人物とそれぞれの背景が繋がっていくストーリーに気づけば釘付けに。
やり尽くされた手法というか、既視感みたいなものがあるのは正直否めないんですけど、それをねじ伏せてしまうほど内容が面白いところが凄いです。
犯罪の内容とかガバガバで、実際こんなにうまくいくわけないだろってくらい無茶苦茶な手口で侵入するんですけど、そういうの気にならないくらいキャラクターの相関とバックボーンは丁寧に作られている。

人間くさい部分にリアリティをフォーカスしているあたりが好みなんです。バランスが良ければ気になるところも気にならない。邦画に期待している要素をほとんど持っていてもうニッコリです。

バカリズムが脚本家としてブランド化してきましたね。次はどんな作品を書くんだろう。楽しみです。
マグルの血

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