ぷかしりまる

サイバー地獄 n番部屋 ネット犯罪を暴くのぷかしりまるのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

加害について「加害者は狂っていて自分とは違う」ではなく、被害者の立場を知り、自分が加害者サイドだったらなぜそうするのかを考えるようになった。このレビューは加害について絞って書く。まずは自分の環境を振り返って。
▶️最初の段落では性教育についてのことを述べています



























自分の身体は女性だったけれど、幼い頃から「ホモソノリに理解のある女」というか、ホモソを強化するという感覚が内面化されていた。原因はいろいろあるが、究極的な問題は、性教育が不十分だったことにある。不十分だったことは大学に入って初めて知った。自分の身体に関係することをネットの情報以外で何も知らなかったことに気付いたのだ(振り返ると、地元図書館には妊娠出産系の本しかなかったので、特に田舎は知るべきことの差が出るだろう)。だから身体にまつわる話はおませで、猥談的なものでしかなかった。
そして性教育が不十分なことが何に繋がるかと言うと、世の中の様々なことが男性中心的なあり方をしていることに気付けないということ。妊娠のリスクは女性が負うものであるにもかかわらず、コンドームの避妊成功率がピルと比較し圧倒的に低いこと(加えて嘘をついて装着されないという可能性があること)も、海外と比較してピルの値段が高すぎることも(ピルには生理痛の軽減や月経出血量の減少、生理不順の改善やがんの発症リスクを減らすという副効用があります。なのに子宮内膜症でも保険適用で月3000円って何なんだよ/貧乏人は自分のコントロールが効かない辛いことでもナプキン買ってロキソニン飲めということか)望まない妊娠を防ぐ緊急用ピルが認可されないことも、中絶の方法として子宮内膜を傷つける可能性が高い掻爬法が行われていることも知らなかった。他にもいろいろある。要するに言いたいことは、性教育が不十分なことは男性中心的なあり方を許すこと、女性から知る機会を奪うことに繋がる。性教育がきちんと行われていれば、女として生まれた自分はホモソノリに徹することもなかったのかもし!ないし(https://twitter.com/akinaln/status/1739617553381728637
↑自分の体験ではありませんが事象の具体度が高いです)男として生まれていても、自覚的になれたのかなと思う。もちろん加害を食い止めるために必要なのは性教育の拡大だけではないと思うが、今書けるのはここまで。性教育の本質は、誤魔化さないで伝えることにもあると思う、例えば「知らない人についていかない」は何をされるかだけでなく、顔見知りの加害者という可能性を取りこぼす。


▶️ここから具体的な事象を扱っていて、読んでいてこわい気持ちになる可能性があります。



























話は変わるが、一昨日くらいに久々に実家のテレビをつけたら、松本の騒動に対して(ワイドナショー)、論客は芸人仲間数人らが「真相が出るまで分からない」、の中さっしーがひとり「被害者を嘘つきと非難しないでください」「告発するまでには時間がかかる」と言っていた。さっしーの主張は本当に正しいが、場の論者が偏りすぎていて気持ち悪かった。事件に対し、社会的立場が強いのは松本の方で、それを中年(歳ゆえの権威もある)男らが中立ポジの理解ある面を被ることは、強者に加担することだと分からないのだろうか?立場の格差を前にしての中立とは強者に与することだ。あの場で社会的立場のある人間が最初に行うべきは、恩人の弁明ではなく圧倒的弱者に対する眼差しを持つことだった。