一人旅

フェラーリの鷹の一人旅のレビュー・感想・評価

フェラーリの鷹(1976年製作の映画)
3.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ステルヴィオ・マッシ監督作。

ローマを舞台に、スピード狂の刑事と強盗一味の対決を描いたカーアクション。

70年代イタリアン・カーアクションの隠れた佳作で、銀行を荒しまわるシトロエン乗りの銀行強盗に対して、ローマ市警のアウトロー刑事:マルコが鍛え上げたドライビングテクニックを駆使して対決を挑んでいくというカーアクション物になっています。

強盗団を前に一度は敗れた主人公が、かつて伝説のドライバーだった上司から運転技術のイロハを叩き込まれリベンジを果たしてゆく…という「ベスト・キッド」方式の敗者復活譚が熱い一篇で、強盗団を捕まえるために警察予算を投じて刑事一人のドライビングテクニックを向上させる…という余りにも遠回りで非組織的な捜査プロセスに時代の大らかさを感じさせます。

見所はローマ市街を舞台にした熾烈なカーチェイスで、ドリフト走行・片輪走行・ジグザグ走行・高速Uターン・クラッシュ&横転など、プロのカースタントマンが披露する数々の運転テクは迫力万点ですし、クライマックスの谷越え大ジャンプもスローモーションを取り入れながらじっくり魅せてくれます。

主演のマウリツィオ・メルリがイタリア人らしい濃い胸毛をちらつかせながら持ち前の度胸で敵と対峙する刑事を熱演しています。彼を鍛え上げる上司を演じたジャンカルロ・スブラジアの抑えた演技とのコントラストが鮮烈であります。
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