Wacky55

ネクスト・ゴール・ウィンズのWacky55のレビュー・感想・評価

3.8
2024年 11本目

2001 FIFAワールドカップ予選でオーストラリア代表に0-31で大敗を喫して以来、公式戦で一度もゴールが決められず、世界最弱チームとまで言われていたサッカーアメリカ領サモア代表。そんな状況の中で、2011年、破天荒な性格として知られるトーマス ロンゲンが監督に就任し、奇跡の1勝を挙げるために立て直しを図るのだが果たして…

実話をベースにした本作をジョジョラヴィットなどでも知られるタイカワイティティがコメディドラマ作品として製作。

総合評価: 3.8
非常に面白かった!

脚本/演出等: 4.0
ワイティティ節炸裂でしたね。スベリ、自虐、そして地味なトーンでのツッコミといった様々なユーモアのあるセリフの言い回しは、ワイティティらしさ全開でしたね。

また、本作はサッカーというよりかは、ポリネシアの伝統や文化、そしてセクシャルマイノリティ(第三の性 “ファファフィネ”)に焦点を置いている印象。そこをシリアスには描かず、ハートフルでユーモアな描写にしたことで、緊迫的なものを感じずに、割とオープンな気持ちでサモアの伝統文化やマイノリティなどを学ばせてもらいましたので、とても良かったと思います。

あえて強いというならば、サッカーの視点をもうちょっと描いても良かったのかなとは思います。例えば、なぜジャイヤはDFに適しているのか。どうしてトーマスはランボーのキック精度に惹かれたのか。その部分をさらに突き詰めていけば、さらに面白い作品にはなっていたのかなと思います。

ただこの作品は、大人だけでなく子供達も楽しんで見られる作品であることは間違いありません。

演技: 4.2
個性豊かな登場人物たちを演じた俳優さんの演技も非常に良かったです。個人的には、タビタとジャイヤはかなり印象的でした。

カメラワーク等/アングル等: 3.7
全体的にカメラワークは非常にシンプルではありましたが、悪くはなかったと思います。サモアの自然風景のショットはとても綺麗でしたし、シバタウの場面に関しても、過剰なアングルワークをせずにシンプルにした所はとても良かったと思います。

編集等: 3.6
BGMはとても良かったです! 伝統楽器を用いたBGMがサモアの晴々とした青空と海、そして夕陽が照らす山の映像が非常にマッチしていて素晴らしかったです。

美術/衣装等: 3.5
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