オキアガリコブシ

落下の解剖学のオキアガリコブシのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7
ミステリー要素はほとんど無くて
法廷での検察と弁護士・判事による
判決に向けてのやり取りがメイン。

人里離れた一軒家(山荘?)にて
旦那が窓から転落死してしまう。
第一発見者は犬の散歩から帰ってきた視覚障害を持つ息子。
殺人容疑をかけられたのは唯一家にいた小説家の妻。

観ている自分達にも答えが明かされない状態で裁判が進んでいくため
検察側が主張する
「事件前日の夫婦の喧嘩の音声」や
「夫婦間の不倫トラブル」など
確実な物的証拠も無い中で繰り広げる
「喧嘩した次の日に殺したんだろ?」
などといった
確実な証拠が出てるわけでもないのに
「殺してしまったのかな?」と想像してしまい
あちこち揺さぶられる映画でした。

確実な証拠があるわけではないのに
被告人である妻を「悪人」に映るように
想像でストーリーを作ってまくし立てていく検察官が「マスゴミ」にも見えました。

また、裁判期間中にテレビにてキャスターらしき人が
「旦那が自殺した、事故死したよりも
小説家が旦那を殺したという方が面白い」
という描写には皮肉が感じられて面白かったです。

少し難しいところもありましたが
また何度か見返すと深みが分かっていくんだろうなと思います。