あかめ

瞳をとじてのあかめのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督の31年ぶりの新作で「ミツバチのささやき」のアナ・トレントも出演していると聞き、期待半分、不安半分で観て来ました。
いきなり映画内映画から始まり、物語はその主人公を演じ、映画の撮影期間中に失踪した俳優を失踪から22年後に親友でもあった監督が追うという物語。
映画内映画の「別れのまなざし」も人探しの物語になっていて、この映画の内容が俳優を探す手がかりにもなります。
31年というブランクをまったく感じさせない堂々たる映画で、「ミツバチのささやき」が「フランケンシュタイン」から始まる映画であったようにこの作品も映画にまつわる映画でした。
アナ・トレントは失踪した俳優の娘役で「ミツバチのささやき」のラストシーンを再現するような場面すらあり、びっくりでした。とはいいつつもそんなエリセ監督の過去の作品を知らなくても全然問題なく観られる作品です。
169分という長尺で、老齢と言って差し支えない男が親友を探すという地味でシンプルな内容ながら全く退屈せず、終始画面に釘付けになりました。
ネタバレなしで観るほうがいいので、物語については細かく語れませんが、かつての名匠が今の時代でも十二分に戦える現役ぶりを見せてくれたことが嬉しくて堪らないです。
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