あかめ

あまろっくのあかめのレビュー・感想・評価

あまろっく(2024年製作の映画)
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江口のりこさんが主演で人情ドラマというのが意外でした。
江口さんは若い頃に「ジョゼと虎と魚たち」とか初主演の「月とチェリー」とかでセクシーな役を大胆に演じる人としてはじめて認識し、ドラマ「時効警察」シリーズなどで喜劇的バイプレーヤーとして存在感を発揮し、ゴールデンタイムのドラマは仕事の出来る女性のイメージが強い役を演じてきました。
そんな彼女が気のいい老父と20歳の後妻(継母)との生活を描く異色ホームドラマで鶴瓶さんや中条あやみさんらと堂々たる主演ぶりを見せています。
この映画には悪人が誰も登場しません。しかし、いろんなタイミングの悪さや自然災害で波乱が起きたりします。
老いた父の孫ほども歳が違う嫁とのギクシャクした関係は想定通りですが、そこからある悲劇と縁談話の展開で人情ドラマが生まれます。コテコテとも言える流れながら、既視感がないのはドライなイメージの江口さんと非現実的なまでに美しい中条さんが演じているからで、その中心に神様むたいな存在の鶴瓶さん演じる父がいるからでした。
ネイティブな関西弁のやりとりも耳心地が良く、近畿出身者には安心感のある作品でした。
キネマ旬報ではかなり評価が低いですが、個人的にはじんわり泣けるいい映画だなと実感。
初日のレイトショーではお客さんがあんまり入っていませんでしたが、シニア層にはウケそうな内容だったので、平日昼間の興行で巻き返して欲しいなと思います。
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