クロフネ

うかうかと終焉のクロフネのレビュー・感想・評価

うかうかと終焉(2023年製作の映画)
2.5
つまるところ学生寮に暮らす6人の学生たちが、取り壊しが決定している古い学生寮に自らの青春の終焉を重ねておセンチになっちゃいましたという、じつにシンプルな構成の映画。寮を離れる最後の1日を鍋を囲んでくだらない話で盛り上がることを断固拒んだ児玉さんをはじめ、最後までそこに居座ろうとする美濃部先輩に至るまで、登場人物のバックグラウンドというか、これまでの数年間を彼らがどう過ごしてきたのかをほとんどまったく描いていないため(あえて?)、ああそうですかという感想しか出てこなかったです。だって彼らは寮を去ることがただ名残惜しいだけであって、寮が取り壊されても、なんの曲折もなく彼らの人生は続いていくんでしょ?
甘酸っぱいクソみたいな青春の思い出を描くことは否定しません。でも、この物語にシンパシーを抱けるのは、卒業したてのまだキャンパスライフ(笑)に心残りのあるひとだけではないでしょうか。傍目に見る他人のセンチメンタリズムはやっかいです。
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