クロフネ

銀座カンカン娘のクロフネのレビュー・感想・評価

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)
2.8
まずはじめに、舞台となる新笑一家の家族構成がなかなか複雑です。恩人の娘だというお春とその友人のお秋、息子ではなくて甥の武助、一家の主をおじいちゃんと呼ぶ謎のヒヨ子(両親は?)など、ひとつ屋根の下で暮らすひとたちの関係性がつまびらかに説明されていないです。こういった家族構成は、戦後間もない混乱の時代ならば、きっとどこにでも見られた風景なんでしょうね。

昭和24年の公開当時には、この映画はどんな風に迎えられたんだろうと想像します。満員の観客は大いに盛り上がったんだろうか。時間旅行をして、そのときの観客のひとりになってみたいです。

志ん生の噺(替わり目)が、新婚旅行に出かける2人への花向けとして有機的につながっている粋なラストが秀逸でした。すがすがしい幕切れに感嘆しました。
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