かつて王の死により地上と分断され、魔物に支配された地下の世界。
病的に「ある物」を恐れる弱虫だが妹思いの少年ピーターは、空想好きな妹ヴェリティとともに地下世界に迷い込む。
地下の住人・センザンコウ達はピーターを見ると……？
止まった時間、閉ざされた世界に、少年は立ち向かう。
「未体験ゾーンの映画たち2024」配信にて。
夢と冒険が詰まった文句なしの子供向けファンタジー。
ピーターの情緒の散らかり、世界観説明のざっくり感、やや駆け足の展開、脱力な笑わせ所等が目立つが、子供を飽きさせない演出や尺としては退屈や中弛みがなく良い感じ。
VFXによる動物の可愛らしさや、独特な世界の風景の美しさ、小道具に至るまで作り込まれた雰囲気も唯一無二。
ポスターヴィジュアルの一番上にいる、ドラゴンとヤギを混ぜたようなオリジナルクリーチャーがお気に入り。
口角がヤギのそれなので、爬虫類の顔で母音uやoを発音する表情があり一瞬ギョッとしたが、良いデザインで可愛かった。
妹のヴェリティ役の女の子が、VFXの動物達一匹一匹に向ける視線まで細部の演技が愛らしく素晴らしい。
謎解きがマザーグース的なので日本の子供には分かりにくいとは思うが、『ハリポタ』に触れる前の、もっと幼い子供達に観てほしい、文句なしのキッズアドベンチャー。
「子供向け映画がきちんと子供向け」って素晴らしい事だ。
「大人向けの顔して子供騙し以下」の映画に疲れていたので、心から微笑ましい気分になり、良い休息として楽しめた。
