オキアガリコブシ

DOGMAN ドッグマンのオキアガリコブシのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.7
LEONの監督最新作ってことで
前から気になってたので鑑賞。

警察に止められた一台のトラック。
運転していたのは負傷している女装した男。
トラックには数十匹の犬たち。
その後、拘置所に移送されて
精神科医に半生を語っていくという映画。

映画の8割は男の過去の回想であり
いかにしてドッグマンになったのか、
どのようにして現在に至るのかという話。

幼少期のシーンでは神(キリスト?)に
ついてのセリフとかがあって
分からない点も多くあったけど
そのシーン以降は分かりにくい箇所は
ほとんど無くて面白かった!

特に主人公が自分的にかなり魅力的。
主人公は基本的に女装してるんやけど
冒頭のシーンの女装は負傷してることもあって、結構ボロボロの状態やから
怖さと汚さがあるけど
バーでメイクをバッチリして歌う姿は
めっちゃカッコいい!!
そこから家に帰ってカツラを取ってタバコをプカー🚬って吸う姿の何とも言えない色気が凄かった。。

自分的に印象に残ってる言葉は2つ。
「装っている間は普段の自分を忘れられる。」
「犬は人間が持つ美徳を全て持っている。欠点は一つだけ。人間に対する忠誠だ。」

「装っている間は普段の自分を忘れられる。」
施設時代にシェイクスピアの物語を演じていた頃に初めて恋をして
そこでメイクを覚えて
初恋の人と演劇を続けて。

数年後に会いに行った初恋の人には
旦那がいて子供も産まれる。
残ったのは車椅子の自分だけ。
そんな現実を隅に置いて忘れさせてくれるのは、奇しくも初恋の人が教えてくれたメイクで自分を装った時だけ。
何とも言えないくらい切ないな。

「犬は人間が持つ美徳を全て持っている。欠点は一つだけ。人間に対する忠誠だ。」
この言葉から察するに、主人公は自分も同じ人間だとは考えてないのかな。
まぁ、あれだけ人に傷付けられてきた過去があるとそうなってしまうのかな。

だから最後のシーンで
教会の十字架の影に自分が重ねたのは
「自分は人間とは違う神である」って事かな?
知らんけど。笑

まぁあんだけ犬たちに命令ができて
指示もできるのは神様以外の何者でも無いけど。笑