このレビューはネタバレを含みます
想像してた以上に辛い苦しい出来事のてんこ盛りでどんどん追い打ちをかけてくるので、こんなに壮絶な話だったのかとちょっと驚き。
キコちゃんが最初からどん底で、でもさらに次々負の連鎖みたいになっていくわけだけど、その不幸感不遇感が杉咲花のたたずまいに漂いまくっていて、芝居とは思えなかった。
志尊淳がトランスジェンダーと分かってから、分かる前の演技の繊細さがしみた。説得力があった。
でもあの性格のアンさんが暴露という行動に出る過程が分からなかった。
宮沢氷魚がクズすぎて引く。うさんくささが半端ない。こういう人は一生クズなのでどうにもならないが、あの後どうなったのか、ちょっと知りたい。西野七瀬と真飛聖の毒親も救いがなさすぎた。
全体的にすごくよかったけど、宮沢氷魚とのシーンが時々ベタすぎて、そうなると他にもベタな撮り方が気になりはじめ、ちょっとライトな作品になってしまった気がしてもったいなかった。
ムシくん改めイトシくん、最後の方になって大分かわいかったので、もう少しキコちゃんとがっつり絡むシーンがあったらよかったなー。
杉咲花だから、イトシくんと懸命に生きる未来が想像できて、いいラストではあった。
エンディングの主題歌がちょっと映画と合っていない気が。余韻を味わえなかった。曲自体は素敵なのに、映画よりだいぶ軽い感じが。希望のある終わり方だったからかな、でもちょっと違った。
杉咲花の次期作、楽しみです。