オキアガリコブシ

コンクリート・ユートピアのオキアガリコブシのネタバレレビュー・内容・結末

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

韓国映画=人間心理×バイオレンス

自分が好きな韓国映画の要素が入ってて面白かった!
ヤベェ奴が権力持っちゃった系の映画はある程度の結末が読めても面白いよね。笑

イ・ビョンホンが最初は冴えないおっさんやけど、段々と周りの期待や支持に乗せられて変わって行く様が良かった!
最初にアパート住民を追い出す時の顔面血まみれで「出ていけ!」っていうシーンは狂気じみた所に震えつつもカッコよかった!

個人的に一番不憫やなと思ったのは旦那さんかな。この人は代表の部下やったけど行動の指針は「奥さんと自分を守るため」っていうのに徹してた。無断で住んでた人を摘発していったのも、奥さんが暴行されたりしないようにやからな。
代表に従ってたのも「奥さんと自分がアパートを出て暮らす方がリスクが高いと判断してた」からやし。
けど「奥さんと自分を守ろう」とするほど、奥さんの「助けられる人は助けたい」という考えと乖離していくっていう救いようの無さが切ないな。

あとラストシーンでは
「人間は閉鎖空間になると考え方が極端に狭くなる」っていうのが伝えたかったのかな?
助かったのは自分たちだけだと思い込んでしまう所、住居人じゃ無い人は外に出すべきだとしてすぐに追い出してしまう所とか
考える視野が狭くなる(簡単に結論づけてしまう)ことで「楽な答え」を導き出してしまうのかな。(まぁ極限状態ではそうなるやろけど。)
それが長い期間当たり前になると「おかしい考え方」が「当たり前」になってしまう。
だから、「元々は普通の人」が段々と狂っていくのかな。

日本映画ではなかなか見れない
人間心理×バイオレンス満載の映画
最高でした!