ぷかしりまる

ストップ・メイキング・センス 4Kレストアのぷかしりまるのレビュー・感想・評価

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トーキングヘッズのファンではないのでノれないと分かっていた。事実あまり楽しくなく(なぜ演奏者たちは踊り、映画の中の/劇場内の観客は熱狂している?という不思議さが全体的に曲の良さよりも大きかった。加えて説教くさい印象の、またはシュールリアリズム的な歌詞が好きではなかった)そもそもなぜ自分の意志に反して観にきたのだろうか。結果的にそうなったのはチケットが安かったから、とか、他の人のレビューが良かった、とか、フィルマのclipに入れてたから(見とかなくちゃなと思ってるだけで実際は大して見たくないものもある)とか、遠出したのでこのまま帰るのもどうかと思ったとか、恐らく根源的なのは映画館の暗闇の中に身を置きたかったという気持ち(しかしそれも疑い得る😹)で、とにかく原因は複合的。
観る前からノれないだろうなと分かっていたのでビールとポップコーンのセットをめずらしく買った。なんか書けば書くほど矛盾だ、なんで見にきた?そのセットはお腹が空いていなかったので食べ飽きたし、そもそも二日酔いだったので身体のコンディション的に買う必要はなかった。(ただビールは爆音の中でも心地よい眠気を誘ってくれたのでよかった❤️)このような矛盾を前にして、それでもやるというか、行為に移す自分。やりたくない気持ちだってあるんだし、それでもやることの原因だって複合的にあるんだから、様々なことを自分自身で完全に決めてるとは言えない。仕方なくそうなってしまったりして、あーやっぱりしなくてもよかったなって思ったり…

まあダルダルと書いたが、見ていてやや落ち込んだ。熱狂している人たちを冷めた気持ちで見るのは、退屈だし少し寂しい。なにより現実ってとても不自由だ。色々な可能性が狭まっていて、いまここしかない。
左の席に座ってるお姉さんがニワトリみたいな首の動かし方をしていたりとか、右の席に座ってるお兄さんがリヨンで泊まってた寮のレセプションと全く同じ匂いがしていたり(これは何使ってるのか知りたかった笑)とか、おもしろかった。でもそれだけ。勝手にこっちがふんふんって感じるだけ。別に話しかけたいとかじゃないよ。でももしかしたら、それいいね、って言って友だちになれたかもしれないのになって思った。
バンドメンバーの顔が彫り深くておもしろくて、コーラスの女性は黒い肌に青のアイシャドウが綺麗だった。英語を喋っていて、観客もそれを理解している。私もあんなおでこや肌を持ってみたいと思った。違う国の言葉を喋りたいと思った(これにかんしては単に努力が必要)

this must be the placeの歌詞(僕を死ぬまで愛してくれ)は、何でもかんでも愛という言葉を簡単に使うな(お前はその概念を少なくとも自分で把握できる言葉として使っているのか⁉︎→ぷは愛って言葉が理解できないから目くじらたててるヮよ)と思ったし、甘えるなって思ったり、でも最後の「一緒にいたいけど、僕の頭をぶん殴ってくれ」みたいな歌詞はよかった。肯定だけが優しさじゃないよなー

デビットバーンの肩パッドがしょぼくてジャケ詐欺じゃんってガッカリしたけど、最後あたりに花中島マサルみたいな肩で出てきて、そこがすごくよかった。あと女性ボーカルのとこも、音が一気に柔らかくなって好きだった。

あと最後に!一番最初のギターの音が良すぎて、まじで、こんな音質いいんならエリオットスミスのライブも4Kリストアやってくれって願ったね。

これ飲み終わったら帰って寝よー

追記
帰りの電車の中でst. Ides Heaven 聴いてんだけど、エリも酒飲んだ帰り道の歌でlovelyだった