溌狩

俺たちに明日はないの溌狩のレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
4.0
・アメリカ人が男女コンビの例えにすぐ使うことでおなじみの「ボニー」と「クライド」だけど、修理工の青年とクライドの兄夫婦も巻き込み、徒党を組んで強盗逃避行をしているのは知らなかった。大学サークルの旅行みたいな雰囲気だ。

・ただ、そういう賑やかで「俺らマジ無敵」的な空気はピークに達すると共に急激な勢いで冷めていき、現実のもとに錆びつくもので、「若さ」が持つ強烈な愚かさが悲しくも彼らを包む。最初から最後まで実がなく、場当たり的な思考で夢を語る姿は虚しく、特に若いが故の視野狭窄でいつの間にか引き返すことのできない車に乗ったボニーは哀れですらある。私は全然彼らに共感できず、早く逮捕されてくれ〜〜とさえ思っていたけど、それでもラストシーンは喪失感と切なさを覚えた。
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