すずきじみい

マッドマックスのすずきじみいのネタバレレビュー・内容・結末

マッドマックス(1979年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督: ジョージ・ミラー
脚本: ジェームズ・マッカウスランド
   ジョージ・ミラー

アマプラで追加料金なしなので、1、2、3を梯子してしまった。
1作目は、若い時に衝撃を受けたカーアクション映画。

若い人のレビューを読むと、4作目を観て、あの荒廃した世紀末な舞台や過激なファッションや改造車と同じ物を期待して1作目を観たら、がっかりしたという感想が多くてびっくりした。

私が若い時にはじめて1作目を観た時は、あの救いようのない残酷な結末、そんなラストで終わるアクション映画って、ほとんどなかったので(マニアでない一般観客が観る範囲では)
それだけでドギモを抜かれたんですよ。
カーアクションの過激さと人間の残酷さ、ザ・衝撃作でした。

今観ても、人と車のファッションは2、3と派手になっていくけれど、残酷さでは1が一番キツいと思う。

この1作目、カーアクションがあまりに過激すぎて、
スタントマンが2人死んでると噂になって、今だにそれを信じてる人もいる様です。
でも、その後も激しいアクションをほとんどスタントマンに委ねて4作目まで作って、一人も死者は出してないそうです。
(ただ、撮影現場は凄く過酷だそうです)

スタントマンが死んでもおかしくない様な、生々しく残酷な車と人間の衝突シーン。
そういうのを観客に見せるのが良くないという事でコンプライアンスとかレーティングが誕生したんだろうけど、映画表現でのコンプライアンスって、誰を何から守る為にあるんだろう?と不思議に思う。
私達、昭和ど真ん中世代は、10代後半から残酷なシーンを含む大人の映画を見てきたけど、別に凶暴でも、反社会的でもない。
トラウマも何もない。

いったい、映画という芸術の領域内の物にコンプライアンスって必要なんだろうか?といつも疑問に思っている。

でも、コンプラ配慮が必須になっても、
オン歳79歳のジョージ・ミラー監督の
できる限り人力だけでアクションを作る美学は健在なので、スタントマンの命を賭けた映画芸術を観る事ができる。

あと、家族を失ってからは、マックスって、
ニヒルで人を寄せつけない一匹狼なのに、困った人達に会うと、いつも何だかんだで、自分を犠牲にしてまで助けてやる凄く優しい男だというのが、メル・ギブスンからトム・ハーディに変わり、21世紀らしいカッコ良さや芸術性がましても、そのキャラが変わらず一貫してる。同じ監督が脚本を書き、続編を作り続けるシリーズの良さだなぁと思った。

アカデミー賞作品賞候補になる位、高評価の前作と比べられる『フュリオサ』はプレッシャーもあると思うが、フュリオサ大隊長のファンには手放しで嬉しい。
(でも、実はセロン姐さんに比べるとガーリッシュなアニャちゃんにはちょっと不満、
二枚目捨てちゃってるクリヘムは大歓迎)

もっと観たいのがトムハのマックスの
『ウェイストランド』
製作着手いつになるんだろうか?
あと4年でトムハ、50歳になっちゃう。
メルは50になったから老けすぎてるって理由で4続投が流れたんだけどなぁ。
でも、逆におじさんになったマックスも新鮮でいいかもな。