すずきじみい

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのすずきじみいのレビュー・感想・評価

4.0
監督: ガス・ヴァン・サント
脚本: ベン・アフレック
   マット・ディモン

視聴後何十年も経つと、このハリウッドドリーム(?)、アメリカンドリームを実感させてくれる製作物語の方の印象が強くなり、中身そのものへの感動が薄れていたのだけれど、やっぱり感動させてくれる名作だった。

俳優としては無名だったマット・ディモンとベンアフが書いた脚本を読んだ色んなプロデューサーがいいね!と思って映画化を考えたけど、なかなか、実現しなかった所、ハーヴェイ・ワインスタインとジョナサン・ゴードンが脚本を読み、映画化を即決し、製作に至った
と、今でもウイキに書いてあります。

彼らをハリウッドの表舞台に押し上げてやった人、若いが有能な監督、脚本家、俳優の才能を見抜いて資金を出し、数々の名作を世に送り出した名プロデューサーにして性犯罪者、ハーヴェイ・ワインスタイン。

その犯罪者がいなければ、観れなかったかもしれない名作。

本作を初めて観た時、
米国って、才能のある人を決して埋もれさせない、公明正大で寛大な国なんだなと、
米国っていいなぁと、そこに一番感激した。
でも、製作秘話を知るともっと感動した。
ライターとしてのキャリアも箔もない無名の俳優の書いた脚本で映画を作るだけでなく、主演助演に抜擢する‥‥
興行収入確保しか考えてない製作者達の国、日本の映画界じゃあ、当時ありえなかったし、今でもないと思う。
(インディペンデント系以外では)

そんな機会平等な米国、そしてハリウッドだと思っていたけど、本当は、この時代の米国は、黒人は今よりもっと差別されてて、ワインスタインの様な親父がそこかしこで、
「クビになりたくなかったら」
とか
「学位が欲しかったら」
と、OLや、女子大生を脅してセクハラしてたんだろうなと思う今はちょっと複雑。

でも、こういう作品の可能性、才能を無名だからという先入観抜きで見抜くハリウッドのプロ魂、嗅覚は時代関係なくこれからも変わらないんだろうと思うと嬉しい。

無名のダイアモンド原石の抜擢って、オードリー・ヘップバーンを『ローマの休日』の主役に決めた頃からやってるんですよね、凄いデス。