萩原くわがた

カラマリ・ユニオンの萩原くわがたのレビュー・感想・評価

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)
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世の中に不満を持つ男達が夜な夜な集まり決起集会。地下鉄をジャックし新天地へ向かうも過酷な旅に1人また1人と命は奪われて…
と言う話なんだけど、不満というのは「俺たちが住む街ってなんか小汚いし道路も狭いから嫌だよな」みたいな感じだし、新天地も千葉〜神奈川くらいの距離にあるただの高級住宅地。
…………バカだ!!

金も学もない中年の荒くれ達が一世一代の革命的な旅に出るように見えて実はちょこっと移動するだけ。でも彼らは本気だし、命も落とす。カウリスマキ監督の性格がよく表れたブラックコメディがバカバカしくて面白い。
構図や音楽がなんか普通にめちゃめちゃかっこいい。
カウリスマキ監督作品の劇伴の使い方の思い切りのいいこと。退屈させない。
出てくる男達は全員フランクという名前で、全員曲者。こいつらの会話がまた面白い。行動もかなりヤバくて面白い。常に軽犯罪をしながら生きている。

正常さがどこにもないけど、割とそれでふんわり回っていく”カジュアルクレイジー”な空気感が気持ち良い。
ラストの展開も徹底してブラックでありつつもいい意味で軽さに満ちており楽しい。