金正恩

トゥモロー・ワールドの金正恩のレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.5
人類が不妊となり絶滅の危機に瀕している近未来を描いたSF映画。
主人公のセオは、不妊症に苦しむ世界で唯一妊娠した女性キーを守るために、反政府組織と協力して逃亡する。彼らは、人類の希望を安全な場所に届けることができるのだろうか?というストーリー。

この映画を数年ぶりに観たが、現代の世界的な少子高齢化と重なる部分が多く、現実味を帯びている。
また、映像表現が素晴らしい。特に、長回し風の映像には引き込まれる。暗いストーリーに緊張感と臨場感でアクセントを加えている。

また、西洋絵画のような荘厳な構図も魅力的だ。例えば、キーが出産するシーンは聖母子像を思わせる。このシーンは、暗闇の中でキーの顔と赤ん坊の体が光るという、コントラストの効いた美しい映像だ。

人類の未来について考えさせられる作品だが、それだけではなく、キュアロン監督の映像芸術の才能にも感嘆する作品でもある。
金正恩

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