Melko

ビッグ・ウェンズデーのMelkoのレビュー・感想・評価

ビッグ・ウェンズデー(1978年製作の映画)
3.7
”They’ll surf forever.”
”Nobody surfs forever.”

青春の終わり
その終わりにキチンと別れを告げられる人、青春時代を共にした友人と年を重ねても付き合っていける人は、どれぐらいいるだろう
学生時代に仲良かった友達のうち、2人とは音信不通になってしまった
テクノロジーの発達したこんな便利な時代ででも、人と人の繋がりなんて簡単に無くなってしまう
別に大げんかしたわけでも、嫌がらせされた訳でもないし、あんなに毎日会って話して、色んなところ行って遊んで、お酒飲んだり朝まで語ったりしてたのに。でもやっぱり、引越し等で物理的距離が空いたのが大きな要因かもしれない。私の場合は。

もう46年前の映画
しかも男の不器用な友情、女のソレにはない、ドライだけどしっかりとした何かが土台にあるから途切れない不思議な友情
サーフィンが繋ぐ

繊細で仲間思いな喧嘩っ早いマット
物静かで生真面目なジャック
破天荒でお調子者のリロイ

よく考えたら何で仲良いんだろうってぐらい性格がバラバラなのだけど、不思議と馬が合う3人

バカ騒ぎしたり恋したり、旅行して喧嘩して、時には怖い思いもして、行き詰まったら波に乗り
若さを持て余した日々から、ベトナム戦争へ突入、時の流れには抗えず、みんな何となく大人になってしまう

この時代には多かったんだろうなぁ、戦地に行った彼氏の帰りを待たない彼女。
一方で、ヘラヘラしてたギャルは肝っ玉母さんになり。

仲間の誰よりもサーフィンが上手かったが、ヒーロー扱いされるのを嫌がり、落ちぶれかけたマット。ただ仲間と楽しくサーフィンしたかっただけ。メインが3人ということもあり、我がベスト映画「ロードオブドッグタウン」と重なるところも多かったけど、やはり作品の古さとして昔のアメコミ映画みたいなBGMや乱痴気パーティーシーンの無意味な長さやストーリーのスローテンポな感じは気になった。
が、ラスト20分、それまでのグダグダが嘘のような大迫力のサーフィンシーンは凄かった!!もうすごい臨場感!どうやって撮ったのか気になるー!ぜひこのシーンは4Kリマスター&大画面で見てみたい。

ラスト、キチンと青春の思い出に別れを告げたおじさん達。引き際を弁えてる姿はカッコいい。
物語の中で15年ぐらい時間が流れてる設定で、顔はそれなりに老けさせてるのに、変わらず腹筋がバキバキに割れて体が引き締まりまくってるのはちょっと笑えた。笑
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