田山信行

人蛇大戦・蛇の田山信行のレビュー・感想・評価

人蛇大戦・蛇(1982年製作の映画)
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アナコンダとか近年もスネークパニック映画はそれなりにあるがまずCGである。これは1982年制作なのでそんなもんはなく出てくる蛇はすべて本物。

床一面を埋め尽くす何万匹の蛇の上でのたうち回ったり身体中這わされるなんてどんなにギャラが良くてもやりたくない。絶対何かの拍子に咬まれてるし。さすがに毒は抜いているにしても。

またホンモノだからこそ実際に殺される蛇の方が人間以上に不憫である。叩き殺すに斬り殺すだけに及ばずショベルで粉砕されたり焼き殺されたり惨殺の限り。動物愛護の精神なぞ欠片もなし。DVDの再販がされたとしてもクレームが入るやも。

メインビジュアルでもフィーチャーされてる毒蛇退治の専門家たる師匠がカンフーにてボスの大蛇と対決するなんて荒唐無稽なシチュエーションが展開されたりもするが序盤のワンシーンのみで退場なのが……どう考えてもこの人がメインで事態に対応すると思うやん。

本物の蛇の中でのたうち回る人間を撮るのが趣旨なんだろうけどもここのフィクショナルな立ち回りがメインだった方が殺す蛇の数もいくらか少なくて済んだろうに。

大量の蛇相手にクライマックスで大活躍するのは科学的戦術をもって立ち向かう消防隊である。いや、ええ?うーん……。蛇除けのガスはまだ良いとしてもなぜに消防隊が火炎放射器を装備しているのだ?様々な意味でもう観られることはないであろう大怪作。
田山信行

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