ぷかしりまる

大人は判ってくれないのぷかしりまるのネタバレレビュー・内容・結末

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

大人に理解されない、ほんとうは素直で傷ついてる子どもって感じっていうのかな。トリュフォーの自伝を元にしてるって聞いてたから、同じサボり不良でも金持ちの子は罪に問われなくて、自分は教師に媚びる生徒にチクられるみたいな展開は、自己憐憫というか甘ったるく感じた。
ギニョールのとこは特に凄いな〜と思う。演技じゃないから、ポケ〜と口開けて見てる子どもとか、頑張れとかなんとか叫んでる子どものシーン。ヌーベルヴァーグのロケ撮(街の人が素の反応をしてくれる)って、原理的には現実を映画の中に落とし込んでるんだけど、映画が現実として飛び出してくる感がある。美輪明宏はヌーベルヴァーグのことを「素人臭い演技」とか言っていたけど笑、自分たちが生きなきゃいけない現実を、自分たちのものとして掴み取る心意気にぷは感動した。主演の子がぶつかってきて注意してるのも演技じゃないだろうな。

あと最後がすごく良かった。海への憧れってランボーの『永遠』が元祖なんだろうか?この主人公も海への憧れから走り出す。長回しで、ここではないどこかへ、一生懸命に走る。でも海に辿り着いても、足を水に濡らした程度で「だからなんだよ」ってカメラ向いておしまい。
ランボーはシャルルヴィル出身で、この主人公はパリ在住だったから、自然に対する畏敬の念というか感度が違ってたと思うし、この主人公は自然に対して美しさとか永遠性を見出さなかったのも、都市の暮らし・現代の映画って感じ。そういう点では同じヌーベルヴァーグ世代でも、ロメールの態度(レンズを通して自然の美を見いだす/cf:緑の光線とか四つの物語)と違ってて面白い。
あと『ノッキンオンザヘブンズドア』の2人は絶対内陸出身の田舎者笑