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エイリアン パンデミックのナーオーのレビュー・感想・評価

エイリアン パンデミック(2005年製作の映画)
4.0
この『エイリアン パンデミック』というビデオスルー丸出しの邦題、そしてリドリー・スコット監督作『エイリアン』と非常によく似たポスター。

見るからに地雷臭のするヤバそうな映画ですが、これがかなりの掘り出し物でビックリしました。

観る前はヨハネス・ロバーツ監督の『ストレージ24』くらいの低予算B級モンスターホラー映画の中でも良作程度と思っていましたが、『ストレージ24』なんかよりも遥かによくできたモンスターホラー映画でした。

この『エイリアン パンデミック 』はもちろん邦題です。原題は"隔離"を意味する『Isolation』です。(ちなみにテレビゲームになりますが、「エイリアン」のリプリーの娘を主人公にしたエイリアン アイソレーションという作品もあって、とてもややこしい〜)

この『Isolation』というタイトル通り、
本作はエイリアンシリーズとは無関係です。エイリアンは出てこないし、宇宙船も出てきません。

舞台は最初から最後までジメジメした汚い農場です。登場人物も5人程度と非常に少ないですが、説明台詞ではなく少ない会話から彼らの関係性などを徐々に表していく脚本の上手さ。またちょっと『ストレージ24』と似ている気まずい人間関係の構図も良かったです。

そしてここが非常に大事なポイントですが、モンスターのビジュアルがとても良いんです!!

特殊メイクを担当するデザイナーはボブ・キーン。なんと言っても演習中のイギリス兵対人狼の死闘を描く最高の快作ニール・マーシャル監督作『ドッグ・ソルジャー』のボブ・キーンです!!

子牛から生まれた寄生虫も気持ち悪いですが、終盤に登場するモンスターのグチョグチョネチョネチョした生理的な嫌〜な見た目もとても素晴らしい。

キャストも当時は無名だった『ミッション: インポッシブル』の悪役ソロモン・レーンでお馴染みのショーン・ハリスや『ワールド・ウォーZ』のルース・ネッガ、『アサシンクリード』のエッシー・デイヴィスなど実力派揃い。

本作の監督ビリー・オブライエン。
他にどんな映画を撮ってるんだ!と気になって調べるとこれまたびっくり。
クリストファー・ロイドの怪演が光る
『アイム・ノット・シリアルキラー』の監督さんでした。

本作で完全に名前覚えました。
今後の作品にも期待です!!

あと余談ですが、
タキ・コーポレーションから発売されているDVDがチープ過ぎて笑えました。もうDVDケースからして安っぽいんですが、メニュー画面にはチャプターも音声・字幕の何もないなし。

ただポツンと「PLAY」だけ……
安っぽいな〜笑
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