ナーオー

ザ・マミーのナーオーのレビュー・感想・評価

ザ・マミー(2017年製作の映画)
3.0
邦題で損してる…

『トゥルーディテクティブ』のシーズン4こと『トゥルーディテクティブ ナイトカントリー』の監督を務めたイッサ・ロペスの過去作ということで鑑賞。

日本では未体験ゾーンの映画たちの1本として上映された本作。原題は本作を見ればしっかり意味が分かる、"Tigers Are Not Afraid"="トラは怖くない" なのに対して邦題は"ザ・マミー"……

恐らく本作をギレルモ・デル・トロが絶賛し、同時期にデル・トロ製作、アンディ・ムスキエティ監督作『MAMA』があったことから、B級ホラーとして売り出したかったんだと思われますが、それが間違っている。 確かに幽霊や心霊演出も多いですが、キャッチコピーの"ママが殺しにくる"みたいなホラー映画では全くない。

ギレルモ・デル・トロが絶賛したものよく分かる。なぜなら本作は"ストリート版のパンズ・ラビリンス"みたいな映画だからです。なのでホラーと宣伝されていますが、ホラーというよりもダーク・ファンタジーに近いし、なによりも今もまだ続いているメキシコ麻薬戦争を子供の視点で描かれた社会派映画です。

この子供の視点で描かれるドラマ部分がとても面白かったです。カルテルに親を拉致され殺された孤児たちが必死に生きていく姿がなかなか心に来る。ホラーであり、社会派映画、後半からは少しノワール映画のような味わいがあったりと、かなり変わった映画でした。

とはいえ、ホラー演出が後半からはあくまでオマケ程度だったのは残念でした…
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