とんでもないものを見た。
これがあるから映画はやめられない、と思う。
438分。
7時間18分。
いくら映画が好きだとはいえ、さすがに尻込みする時間。
これだけの時間をかけて観た作品が駄作だと思いたくないという、バイアスがかかっているんだと言われるのかもしれない。
心理学でも名前がついているとかなんとか。
でも、おそらくそうじゃない。
もしそうならそれでもいい。
全てを理解出来たとは到底思えないし、この439分という時間がどうしたって必要だったと断言も出来ない。
それでも、想像を絶する傑作だと思う。
根拠を説明出来なくても、自分にとってはそれは揺るぎない事実だ。
これだけ長い作品だったのに、いくつもの印象的なシーンが脳裏にはっきりと焼き付いている。観終わった今も、ありありと思い出すことが出来る。もちろん、全てのシーンがただ美しいだけのものではない。
スコア5点は付けないという自分の中のルールを変えてしまおうかと思うほどの、あまりにも衝撃的な映画体験だった。