ハルノヒノヨル

そこのみにて光輝くのハルノヒノヨルのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
3.5
GLAYが生まれ育った街はこういう街か、という感慨を抱きながら映像を見た。
北海道には行ったことがない。
だから、大雪のイメージが強い。それと海産物。
その街は、三方を海に囲まれ、山を背にする。閉鎖的な構造をしているけれど、古来より本州との連絡の拠点だった。
きらびやかな夜景の中のかけらにもならない、ちいさな物語。
夜が明けて日が昇れば、寂れきって途方に暮れるしかない風景に彼らはいる。
どうしようもない貧困。
多く、彼らは行政とつながる手段を持たず、描かれたのはそういうどん詰まりで生きる人たちだ。
それでも彼らは大切なものを取りこぼさないように必死になり、疲れ果てながらも生きようとしている。
世間的にはまっとうな社会からあぶれてしまったように見えるだろうけれど、その中でもまっとうな社会にあるのとおなじものが輝いている。
そこにあるからこそ、輝いている。
お互いがお互いの光なのだと思った。
生きてさえいれば希望はあるな、と思わせてくれる作品だった。
ハルノヒノヨル

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