Lemmy

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のLemmyのレビュー・感想・評価

4.0
舞台は1926年のNY。ヨーロッパとアジアからの移民制限を行ない、エリス島で優生学検査をしていたような時代。

ヨーロッパから悪意ある魔法使いが侵入するわけだ。そして人間(ノーマジ)の世界でも異質なものを排除していた。魔法界も人間界も異質なものの排除と、隔離、住み分けを目指していた。その排除と隔離の欲望からオブスキュラスは生み出される。

主人公のニュートは、魔法界が隠そうとしていた魔法をカバンから漏らしてしまう。境界をゆるーく越えていく存在。そうした越境性がニュートの魅力と力である。

ただしそこにも1920年代が響く。ニュートがNYにくる前に寄ったのは、スーダンとエジプトである。どちらも当時、イギリスの植民地だった。そしてコワルスキーは、第一次世界大戦に従軍した経験がある。北アフリカから中東の分割戦争でもあった。
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