1年たち、1927年のヨーロッパ。
前年末にオーストリア生まれのアドルフ・ヒトラーが『我が闘争』の下巻を出版している。米国が参戦して決した第一次大戦後の疲弊の中で、人種差別をテコに台頭する独裁者と全体主義の萌芽があったわけだ。(映画のラストシーンはオーストリアの山の中だ。)
しかもヒトラーに人種主義を教授したのは、英国生まれのヒューストン・スチュアート・チェンバレン(『19世紀の基礎』1899年)である。ヒトラーはアメリカとイギリスが産み落としたといってもいい。
クリーデンスがダンブルドアの血筋であることは、そうしたことを示唆しているようにも読める。
第二次世界大戦を予言しているのもそうした歴史を意味していると思われる。