Melko

肉体の門のMelkoのレビュー・感想・評価

肉体の門(1988年製作の映画)
3.7
「爆発したら死んだ親兄弟の元へまっすぐ行けんだ。そう思ってみんなここに腰据えてんだよ。そう思いたくねぇ奴は出てけっつってんだよ。」

「勝手に戦争したのは誰だい、え?勝手に負けたのは誰だい。てめぇたち男のせいじゃねぇのかよ。誰が好き好んで、、パンパンやってんじゃねぇや!!」

「小政!逃げるわけにはいかねぇんだよ。ここがラストチャンスさ。でもよぉ、道具がねぇんだよ道具がよぉ!」

女は強し。(色んな意味で)

アマプラ見放題もレンタル100円も、ことごとくタイミングが合わなかった本作、やーっと見れた!!
あぁ、五社英雄監督だなと思う世界観と映し方、容赦のないモノホンのキャットファイト、もはや伝統芸?な、ポロリに生足な艶のあるラブシーン。

戦後の女たちは逞しかった。パンパン(立ちんぼ?)なんて、今のキャッチとそんなに変わらないのかもしれないけど、親兄弟を亡くし、本当に1人で生きていくしかない中での「女」の生き残る術は、”それ”が1番手っ取り早く、そしてたくさんお金が稼げる。
不発弾がぶら下がる廃墟を根城にする関東小政(せん)率いる関東一家。「爆発なんて怖くない」と虚勢を張るのは、男になめられないようにするため。ホントは怖くて仕方ない。

女の友情なんて、脆い。
男が絡むとやはり、女の友情は脆い。
友情よりも愛情を取るのが人間でしょうか。

強すぎる。小政やお澄のような肝の座った生き方は、今の私にはまだできない。何も失いたくないもの。

かたせ梨乃の胸は本当に綺麗…女も見惚れる。それに加えて今回はドスの効いた落ち着きボイスが炸裂。男相手に一歩も引かない貫禄。
相手役の渡瀬恒彦も渋イケで良かった…のだが、しっかり爪痕を残したのは敵対するお澄を演じた名取裕子。母と妹を米兵にレイプされ殺された恨みつらみ…「復讐」その一点だけを見据えた女に怖いものなんてない。ライバルだったせんと澄、タイマン張った者にしか分からない熱い友情は良かった◎
したたかな小判ザメ町子を演じた西川峰子もなかなかの存在感だった。あと例に漏れずポロリ。
まさかの松居一代!!普通に綺麗な黒髪美人だった!

伝わってくる壮絶な撮影現場の空気。
ビンタの応酬、しばきあいはモノホン
タイマンに使われたドスもモノホン
裏切り者のリンチもモノホン
ああーヤダヤダ、すごい雰囲気。。

極妻でもあるような引きの画の戦闘シーン
役者は満身創痍、命懸けなのでグダグダ
せんと澄みのダンスシーンなど、途中でブツっと切れるシーンが多かったり、米兵の英語に字幕がなかったり、せんがくるくる踊るシーンが不自然に長かったり、割と気になる場面も多かった。

女優さんたちが(演技で)大暴れしてたなーって作品
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