Melko

コウノトリ大作戦!のMelkoのレビュー・感想・評価

コウノトリ大作戦!(2016年製作の映画)
4.0
赤ちゃんを運ぶためにコウノトリは生まれた

いや〜〜私は大好きでした、この話!
なんと人間愛に溢れた作品でしょう。

Make a plan, stick to the plan, always deliver!!

“Fine, you can name her.”
“Really!?” “Yeah, go ahead.”
“Diamond Destiny!” “OK, I change my mind.”

かつて、人々に赤ちゃんを届けていたコウノトリ。今は赤ちゃん配達部門は廃止。モノを届けている。出世の野心に燃えるコウノトリ ジュニア。何故か鳥に混じって働く孤児の人間チューリップ。
一方 人間界。共働きの両親に全然構ってもらえないので、「弟」を欲しがる男の子ネイト。すがる思いでコウノトリ宛へ書いた手紙は、チューリップの元へ届く。すったもんだで「女」の赤ちゃんが誕生!その場に居合わせたジュニア。バレたら出世がパァになる。赤ん坊を家族の元へ届けるために苦心するのだが…というストーリー。

こうゆう冒険モノにちょっと珍しい、バディが2人とも無駄な動きが多くておしゃべりなせいで、画面が忙しい。笑
ピンチに次ぐピンチ、なんとかかんとか危機を脱するもまたピンチ。
それは、追手が来るというピンチと、赤ん坊の機嫌を取らないといけないピンチ。

画面は忙しないけどストーリーはちゃんと入ってくるから、物語の組み立て方は巧い。
クスッとどころかブフッ🤭💨て笑える場面のオンパレードで、ちゃんとコメディしてるのも良い!(特に中盤以降)
特に笑ったのは、
オオカミたちの変幻自在な合体変身!(んなアホな!祭り)
赤ちゃんが寝てるから起こさないで!の中、まさかのサイレントで行うペンギンとのファイト(殴られて痛くても声が出せないシュールさ)
かな。

女性だけではなく男性も潜在的に持っている母性(父性?)本能か、赤ちゃんが笑うとみんな顔が🥺💛になってたのがきゃわいい。

見せ方として巧いなと思ったのは、中盤での赤ちゃんを届ける側と迎える側の描かれ方の対比。
既に 「家族=1チーム」として完成されて何事も協力し合う受け入れ側と違い、届ける側は息が合わず四苦八苦。赤ちゃんがなかなか寝ないストレスでボロボロ、増える言い争い。ご飯も食べてくれないから片方があやし、片方が口へご飯を運ぶ。払い除けられ飛ぶスプーン。。
よく言われる、「育児は共同作業」
慣れないことばかりの未知の中を、助け合って一つ一つ乗り越えていく。そして、ジュニアとチューリップは赤ちゃんを通して擬似家族のようになっていく。
大ピンチの際まで赤ちゃんを抱こうとしなかったジュニア。コウノトリは雨に打たれ風に打たれても決死の思いで赤ちゃんを運ぶ。苦難の中で情が湧けども別れなければならない運命。それが寂しかったんだね。

ラスト、様々な人の元へ届けられる赤ちゃん達。
異性カップル、同性カップル、シングル。
多様性

コウノトリが赤ちゃんを運ぶ世界で、自然に生まれる子は何なの?って、そんなの野暮なツッコミ。欲しくてもできない、でも待ってる人の元へ、届けられるかもしれないファンタジー。

ジュニア一行を追跡するハトが異様なパロディちっくだったり、主人公2人の掛け合いが早すぎて、明らかに大人向けな作品ではあったけど、あざと可愛い赤ちゃんに癒されたからヨシ!
ラストは寂しいけど爽やか!明日からも頑張ろ!
Melko

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