ひいらぎ

ヒトラーへの285枚の葉書のひいらぎのレビュー・感想・評価

ヒトラーへの285枚の葉書(2016年製作の映画)
4.3
ヒトラーのもとでは暴力が正義よりも勝つ
だが人の心は暴力ではなくペンで動く

ハンペル夫妻の実話をもとにした話
実際に亡くなったのは妻の兄弟であり実話と映画の内容が異なる部分があるものの、これは実話をもとにした小説の時点でそのようになっているので映画は小説のストーリーに沿ったと言える
ストーリーは、木工所の職工長の夫と国家社会主義女性同盟のメンバーでもある妻が息子の死をきっかけにヒトラーやナチスの体制を批判するカードを街の至るところに置き人々に見てもらい考えを改めてもらおうと活動していく話である

ただ手紙を置いていくだけの話なのに惹きつけられてしまう魅力があった
周りが皆敵に見えるようなけれども皆無関心なような…なんとも言えない雰囲気や警部の掛け合いなど人の演技と映像の雰囲気で引き込まれた
手紙を書き続ける中の感情や死刑にもなりかねない行動へ駆り立てた生前の息子のことなどが分かれば分かりやすいのだろうがそこがわからなくても深い想いがあるのだろうと思わされる演技には感服した

ペンは剣よりも強しともいうが暴力が正義を凌駕する時代。しかしながら267人は動かせずとも言葉で18人と1人は動かすことができた
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