ひいらぎ

セイビング・レニングラード 奇跡の脱出作戦のひいらぎのレビュー・感想・評価

3.3
選択がもたらす運命
戦争を前に市民は無力である

レニングラードでの戦いのうち、完全に包囲される直前にラドガ湖を経由して脱出する人々の話。実話がベースのようで、輸送船というよりもタグボートが必要な荷船752号が舞台。船は老朽化したオンボロ船で船長が載せられると申し出た人数よりも多い1500人の市民や海軍士官学校生徒などを満載し、ドイツ制空権下の湖を夜間に渡り切ろうとする。その中で揺れ動く恋心や人々の心情の変化が主な構成だと思う。

戦争映画というよりも人間ドラマという印象。しかし、陸軍の戦闘シーンはかなり見応えがある。一方で船の方はダンケルク+タイタニック×ロシア映画というどこかで見たことあるような…というところが多々あった。また、そうはならないんじゃ…というようなシーンもある。しかし、ヒロイン家族がそれぞれ異なる選択をした結果や避難民の呑気な様子から変化していく様子など見どころは多数ある。戦闘シーンメインというわけではないがたまにある恋愛ばかり!というわけでもないのでバランスもちょうどよかったと思う。
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