淡々と事実のみを伝えるよう、人間性においての感情を差し置いて、冷徹なスタンスのまま一定のリズムで描写し続けたある種全ての愚行録。観客はどう受け止めるのだろう。見た人が何を思うか、僕は気になってならない。フィクションを描く際、その物語を面白いと思うのは、僕たちが少なからず共感したり、納得したりするからで、間違っても意味の通らない荒唐無稽なものでは無い。フィクションとは虚構であって絵空事では無い。本作を面白いと思ったのなら、本作は絵空事では無いし、本作をつまらないというのなら、それは虚構では無いからだと僕は思う。
