神田

オーシャンズ8の神田のレビュー・感想・評価

オーシャンズ8(2017年製作の映画)
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もうずーーっとずーーっとこんな映画が観たかった。自分に嘘をついたり、守られたり、主人公と恋仲になって終わったりするような描かれ方をしない、自立した女性の映画が観たかった。







8人の女性が織りなす怪盗劇。出演女優の多くは子育てや家事を行いつつ、助け合いながら撮影に臨んでいたという。その姿は実に鮮やかで、知的で、美しかった。果たして、彼女らを「強い」女性と言うべきだろうか?いや、彼女らはひとりの「人間」だ。ひとりの女性がひとりの自立した人間として描かれている。結婚や出産ではなく、仕事に悩み、思案しているのだ。それだけで本作の価値は大きい。こんな当たり前の描かれ方は、ほとんどされてこなかった(し、一部ではまだその価値観すら構築されていない)のだから。


「オーシャンズ」シリーズの豪華なファッション、テンポの良さはそのままに、8人の女性が盗む、笑う、食べる。パンチの効いた音楽も相まって、サクサク楽しめる一作だ。
観終わったあと、女の自分が少し好きになれた。かも。
神田

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