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ムーンライトのpsychocandyのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.8
シャロンという黒人の主人公の幼少期、少年期、青年期を描きながら、彼の内に秘める孤独や葛藤を繊細なタッチで描いた作品。

本作では、彼の成長する姿を通じて、人種差別や貧困問題、性的マイノリティの孤独や差別、ドラッグ問題やいじめを含む虐待問題など、さまざまな社会問題も描かれています。

さすがにアカデミー賞(作品賞)を受賞しただけあって、凄い作品ではありましたが、全編を通じてネガティブで重いテーマではありましたし、これほどの境遇にあるシャロンに自らを投影して感情移入するには少々限界を感じました。そのため、恥ずかしながらこの作品の素晴らしさをどこまで理解できたか、正直自信はありませんが、ただ、圧倒的にピュアで美しい作品であることは強く感じました。

本作は戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、美しいブルーに輝く)」が原案なのだそうですが、まさに「青」という色彩に感じる、冷たくて陰鬱なイメージと同時に、圧倒的にピュアで誠実なイメージ。そんな純度100%の純愛映画のような作品でした。

2017年 アカデミー賞作品賞他受賞。
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