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希望の灯りのTのネタバレレビュー・内容・結末

希望の灯り(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

郊外スーパーを舞台とした仕事映画。この映画が好きな人は、フランス映画の「アスファルト」や「シルビアのいる街で」も好きそう。
共通しているのは人の「孤独」「現実感」。
大学生の時、スポット派遣で倉庫の仕事をしたり、社会人になってからは、フォークリフトを使う仕事をした事もあったので、内容がジワジワ心に馴染む。あまりしゃべらない主人公の、フォークリフトに苦戦して悩む姿や、職場恋愛に一途な若さもかつての自分と被る。
ドイツは東と西でかなり雰囲気が違うようだ。東はやっぱ東欧って感じ。
前に同じドイツ映画の「50年後のボクたちは」を見たことがあるが、あっちは西側の地域が舞台で全く感じが違う。経済格差がかなりありそうだ。何だろう。ドイツも東側は感性が日本と似ている。研修の様子とか職場の雰囲気とか。倉庫ではなくコールセンターで働くようになって、すっかり忘れてしまった感覚を思い出した。
新人の試用期間卒業を見届けて(実際は見ていないが正式採用は大丈夫だと見込んで)自殺した先輩のおじさん。「こいつならもう大丈夫だ。俺の仕事を引き継いでちゃんとやっていける」と思ったんだろうな。
「東欧」の世界で若い時分を生きてきた先輩おじさんにとって、東西統一後の西側から入ってくる時代の変化に耐えられないものがあったのだろう。しんみりしたが、主人公は希望の灯火を得た。
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