HBの鉛筆で斜線引きまくったみたいな濃い黒い雨と雷に打たれて折れる木が凄い。あと家政婦の自殺シーン。落下が映ってなくても、人物と木のシルエットが死そのものでしかない。
シュトロハイムの唐突な死体も怖…
このレビューはネタバレを含みます
「愚なる妻(143分)」
第一次世界大戦直後のモナコ公国モンテカルロ、軍服の男カラムジン伯爵と名乗る男と2人の女。彼らは詐欺グループで次の獲物であるアメリカ外交官の妻に近づこうとする。
鑑賞中はよ…
シュトロハイム監督・主演作品。愛憎入り混じった人間の業や欲を狂気を孕みつつ描かせたら天下一品の離業となる完璧主義者の映画人。カリフォルニアにモンテカルロのセットを作った大作として、完全版は6〜8時間…
>>続きを読むこれも大学の授業で出会って以来何度見たか覚えてすらないが、映画史上最も怖い映画の一つとして未だその記憶は更新されてない。人物が空間に出入りする過程を執拗に捉え続けるシュトロハイム特有の長回しの効果含…
>>続きを読むDid you like it?と愛の詐称。好いた好かれたが生死に直結。オープニングで内幕紹介したくなるほどの物量よりも、海風や爪を噛んだり鍵穴覗いたりする方がエモくて好きです。無理があるフィンガー…
>>続きを読む呪われた映画作家シュトロハイムの長編に第3作。1、2作目の興行的成功を追い風に、莫大な予算、広大なセット、長尺なフィルムを用いる彼のメガロマニアックな制作スタイルが加速、暴走していく。
デビュー作『…
淀川長治の功績は特にシュトロハイムに関してであるが、すなわち本作と『グリード』を戦後日本に紹介し、また平成最初期の段階でこの二作以外にもフォードのサイレント二本を含む映画史における重要作少なくとも三…
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