ASHITAKAAkino

バスターのバラードのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

バスターのバラード(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


First Time? / 初めてか?


俺は年だがお前より若い


2024年映画32本目

コーエン兄弟に今さらハマる。
個人的に親和性の低い作家という認識だったけど、これは超好き、最高。
舞台年代は西部開拓の時期が共通のお題で、大きな関連性もないオムニバス。連作短編というよりかは縛りありの短編集みたいな味わい。
贅沢なショットと活劇、それから会話をそぎ落とした舞台劇のような味わいも。銃と馬。すなわちアメリカ。たとえ派手なアクションがなくても雄弁な映像として成立する。

ビターなストーリーテリング。ハリーメリング演じる四肢のない語り部。徐々に観衆が減っていき、鶏の芸に人が集まっていく。物語を求める人が減っていく、短絡的な反応にみんなが喜んでいるのを見ていると切ない気持ちにも。マッチョすぎないリーアムニーソンの使い方も良かったです。

最後の馬車の面々の多彩さ、まだ奴隷制のある時期を舞台にしていながら(だからこそか)、アフリカ系アメリカ人は登場しないのも意図的のようにも。もちろん、ポリコレ的な視点ではなく、何を語っていないか、何を見せていないか、という意味で。そこをうまくデザインできる作家。

表題作のお喋りな西部劇、好き。銀行強盗、全編好き。インディアンとの活劇と登場人物へのカメラの重きの移動含めて、好き。観て良かったです。
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