ASHITAKAAkino

カード・カウンターのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

カード・カウンター(2021年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます


悪いのはリンゴじゃなく 入ってた樽だ

全部同じだ そうだろ 同じことの繰り返しだ

すべての行動は自己責任だ  そう信じてる


2024年映画34本目

決して派手ではない落ち着いたストーリーテリング。
独白的なスタイル。どこか社会病質的。でもそれは『Taxi Driver』の頃から一貫していた持ち味だと気づく。オープニングはややスコセッシみを感じたり。
監督作としては『First Reformed』から入ったクチなので、作家に対する理解は低いが、罪や贖罪的なテーマが根底にあるようにも思えるし、二元論的な落とし込みのしにくい憤りのようなものもキャラクターが発している瞬間が生々しい。罪を犯した上司ではなく、部下が捕まる。元凶は逃げおおせる。憎しみの対象は明確にある。同じ憎しみを持つ若者に道を拓こうとする。けれど結局は、というそれだけの映画ではあるが、オスカー・アイザックがずっといいのでずっと観れる。絶対あとで出てくるし痛い目に遭うであろうウィレム・デフォーのふてぶてしい感じも好き。
正直、ロマンスいる?と思う方だけど、最後に残る心の拠り所のようなものなのかなと想像。ギャンブルを各地でするので現地の人はアガるのだろうかと気になる。でもUSAの人(常に勝ち続けているという示唆の裏側を考えずにはいられない)以外、みんなすごいつまらなそうにカードとかやってるのが最高。主人公がギャンブラーなのにギャンブルをそこまで描こうともしていない。
作品としては重要ではないし、人に勧めたりもしないし、Not For Meなものでもあるけど、でもこんな映画も必要、というどこから目線な感想も生まれる。共感も移入もしない。冷徹な視点と隔たり越しの指をしばらく考えるのだと思う。
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